有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
私は、仏教徒・仏教者の自覚を持つようになってから、本屋で仏教本のコーナーに必ず立ち寄るようになりました。
本屋の仏教書が置いてあるコーナーに行くと、お坊さんが書かれた本や仏教研究者、宗教研究者の本がずらりと並んでおります。
最近では、仏教に関心のある著名人、有名所では笑い飯の中西哲夫さんや、みうらじゅんさんといった名前も観るようになったものです。
先日もブックオフの仏教コーナーに行くと、笑い飯哲夫さんの「ブッダも笑う仏教のはなし」を目撃しました。
仏教に詳しい著名人と言えば、古舘伊知郎さんもそうなのですが、笑い飯の中西哲夫さんも、「笑い飯哲夫のおもしろ仏教講座」で講演するなど、注目されているようです。
哲夫さんの「笑い飯哲夫のおもしろ仏教講座」では、前列に現役の住職がいらっしゃったそうで、仏道に生きる人を目の前にして、緊張されたことでありましょう。
笑い飯哲夫さんと仏教の出会いに観る仏教との御縁
笑い飯の中西哲夫さんは、現在はお笑い芸人として活動しながら、仏教と縁が深い生き方をされている、との事です。なんでも、般若心経の写経もよくされているようで。
先日もお伝え致しました、「第5回清浄華院24時間不断念仏会」でも、十念(南無阿弥陀仏10遍)や般若心経の写経をさせて頂けます。
参照:「第5回清浄華院24時間不断念仏会2016体験記前編|京都で南無阿弥陀仏」
参照2:「第5回清浄華院24時間不断念仏会2016体験記後編|共生をお念仏に味わう」
そのうち、笑い飯哲夫さんも、24時間不断念仏会に来られたりする可能性は、仏教に興味をお持ちである以上、ゼロではないと勝手に妄想しております。
笑い飯哲夫さんの拠とされている宗派は分かりかねますが、彼を見た感じですと宗派の縛りはなく、超宗派と言いますか、仏教全般にご興味がおありのご様子です。
ただ、般若心経を称えられたり写経されるところから、真宗・浄土真宗と日蓮宗に傾倒しているとは考えにくいと、勝手に想像しておりますが。
どちらの宗派も、般若心経は拠としておりませんゆえに。
さて、笑い飯の中西哲夫さんが、どのようにして仏教と出会い、本を出版するまでになったのか。
中西哲夫さんと仏教の出会いは、幼少期に御経を読む響き、「読経(どきょう)」の響きに格好良さを感じたことがきっかけだと、インタビューで仰っています。
これ、実際に体験したら、「なるほどなあ。」と、頷ける話です。
私も、清浄華院や増上寺をはじめ、お寺の本堂や阿弥陀堂で、浄土宗の勤行の際に御経や偈文を読むお坊さんの声に、「荘厳」や「凛」を感じたものです。
格好良い、というと語弊があるやもしれませんが、確かに格好良いと言われても、不思議ではありません。
阿弥陀堂や本堂に響く、僧侶の声が響き渡る時空間は、「荘厳」や「凛」を感じる事が出来て、とても言語化しきれるものでは御座いませんでした。
浄土宗の歴史には、法然上人の流罪が決定的となった話に、お弟子さんの称名念仏や読経が凄く美しかったから、というのも御座います。
その美しい浄土宗僧侶の声に魅せられて、当時の権力者の従者である女性が出家するほどだったというのですから、当時から音楽的な美しさや格好良さがあったのでありましょう。
更に笑い飯哲夫さんは、高校生の頃に煩悩の数の計算を教えて貰ってから、どんどんと仏教に魅せられ、本を出版するまでに独自研究されました。
関西学院大学の哲学科に進学して、仏教を学ばれるほどでしたから、相当な入れ込みようであったのでありましょう。
私も、高校1年生までに仏教との強烈な御縁があったならば、龍谷大学では経営学部ではなく、仏教に関連した学部学科に進学していたやもしれません。
もっとも、仏教と御縁が結ばれるかどうかは、それこそ御縁によるものですが。
笑い飯哲夫さんの仏教の本
笑い飯哲夫さんは、現在は仏教に関連する本も幾つか出されております。大学で学んだという経験と、実際に独自に仏教と御縁を結び続けていらっしゃると言う事、そして著名人であるということから、本の出版もしやすいということもあったのでしょう。
笑い飯の中西哲夫さんによる仏教の本は、現在のところ2冊で、お寺巡りに関するDVDも出されています。
一番有名な本は、こちらの「ブッダも笑う仏教のはなし」でしょうか。
私は、ブックオフや本屋でみかけたことはあっても、申し訳ありません、実は一度も読んだ事がありません。
アマゾンなどのレビュー・評価を観ると、やはりと言いますか、賛否はあるようです。
仏教に興味があるけれども僧侶では無い在家の方で、しかもお笑い芸人でよく知られた人という事から、仏教に触れる敷居を低くして下さっているという効果はあるようです。
ゆえに、仏教にあまり馴染みの無い人が、仏教に触れる機会としての機能はあるのでしょう。
ただ、仏教をなまじ学んでいる人にとっては、批判される事があるのも否めないという事が、アマゾンのレビューからも窺えます。
私と致しましては、このような類いの本は、「この人は仏教・仏法を、このような頂き方をされているのだな」という味わいで読むようにしております。
もしも「ブッダも笑う仏教のはなし」を読まれるならば、ある程度仏教について学んでおいたり、教学を勉強しておくと、すっと入っていけるのではないかと思います。
あくまで笑い飯哲夫さんによる仏教の頂き方や説明の仕方、方便であるということは、念頭に置いて読まれるとよいかと存じます。
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注意点と致しましては、大阪弁で書かれているということであり、人によっては読みにくいと感じる事がある、とのことです。
また、私も般若心経の意訳本は幾つか読んでおりますが、あくまで意訳本であり、その人がどのように般若心経を頂いているのか、という視点で読むことを忘れぬようにする必要が御座います。
例えば、笑い飯哲夫さんの般若心経意訳本以外で、お坊さんが解説されている本も多数御座います。
そして、そのどれもが宗派や個々の人生が反映されているがゆえでありましょうか、般若心経の訳し方や頂き方、味わい方も個々に違っていたりします。
宗教学者とお坊さんと、笑い飯哲夫さんの意訳を、比較宗教学のように頂くのも、味わい深いと考えております。
仏教学者の中村元さんは、「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦(ぎゃーてーぎゃーてー、はらそーぎゃーてー)」を、「行こう行こう、皆で一緒に行こう」と訳されています。
一方、禅僧であられる玄侑宗久さんはこの「ぎゃーてー」の部分を、訳さないとされています。
三蔵法師玄奘、あの西遊記の三蔵法師のモデルになった人ですが、この人が「訳したら、趣旨を伝えきる事が出来ない」とされたことに由来する話であります。
ここまで書いておいて、笑い飯哲夫さんが、般若心経をどう意訳されたのか、気になり始めました。
今度、ブックオフや本屋で見かけたら、ぱらぱらとめくって、読んでおくと致します。

笑い飯哲夫さんの仏教本にちなんで
笑い飯哲夫さんの仏教に関する本は、大阪弁の、しかも話し言葉で書かれている、との事です。それゆえに、読みやすい人と読みにくい人がいらっしゃることでありましょう。
この、大阪弁で書かれているという仏教の本であると見聞きして、私はある仏教の本を思い出しました。
それは、浄土真宗本願寺派の僧侶であられる釈徹宗さんの「大阪のおばちゃん超訳ブッダの言葉」です。
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まさしく大阪のおばちゃんよろしく、大阪弁の話し言葉・口調でもって、仏教について解説されています。
解説の仕方はくだけておりますけれども、それゆえにわかりやすいと感じました。
真宗・浄土真宗の僧侶であるためか、この「大阪のおばちゃん超訳ブッダの言葉」では、般若心経の解説は御座いません。
般若心経の解説はありませんが、法華経や観無量寿経の解説があり、私も好きな「維摩経」の解説もして下さっています。
在家の方でしたら、一度は「維摩経」に触れてみるのもよきかな、と思います。
笑い飯哲夫さんの仏教本で、仏教に興味を持つようになられましたら、僧侶が書かれたこの本も手に取られると、更に仏教を味わえるのではないか、そのように思う今日この頃に御座います。
合掌