有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
このお堂(ブログ)では、持たない暮らしによるシンプルライフについて、仏教の話と織り交ぜてお伝えしてきました。
持たない暮らしによるシンプルライフは、物質的にもスッキリしており、それゆえに物質的衛生面も精神衛生の上でも良い状態に向かう力があると、実体験からも体感が御座います。
そして、持たない暮らしやシンプルライフ、ミニマリスト生活に共通する事柄として、禅の智慧や禅僧の在り方が参考になるとも、伝えさせて頂いております。
持たない暮らしによるシンプルライフの実現は、禅の智慧にあり
以前からお伝えしております通り、持たない暮らしによるシンプルライフ、そしてミニマリスト生活というのは、禅の智慧に色々とヒントが御座います。例えば、曹洞宗の禅僧であられる枡野俊明さんは、色々な著書の中で、持たない暮らしや断捨離の具体的な方法を示して下さっています。
:1年袖を通さなかった服は手放す
など、服などの物を手放す方法についても、具体的な話を展開して下さり、とても参考になります。
私も幾つか実践して、循環させる方法や見立ての智慧を拝借して、お陰様ですっきりしたシンプルライフを営めております。
雲水や禅僧は、基本的に物を持たない暮らしを修行中に強制的にされますし、そこからのシンプルライフも熟知されていらっしゃる方々です。
もちろん、仏教の根底には物欲や物に惑わされない生き方を説く教えが御座いますが、特に禅宗ではその在り方が顕著に思えます。
そこで、今回は禅の智慧を学びつつ、持たない暮らしによるシンプルライフが実現出来る方向に舵を切ることが出来る参考書を、3冊お伝え致します。
尚、この3冊は私も購入して読ませて頂いてたご縁がある本です。

持たない暮らしによるシンプルライフの禅の参考本1:限りなくシンプルに、豊かに暮らす
持たない暮らしによるシンプルライフの参考になる禅僧の本1冊目は、:限りなくシンプルに、豊かに暮らす(枡野俊明さん著)
です。
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この本は、断捨離の具体的手法や在り方、考え方を幾つもの著書で指南して下さる、枡野俊明さんの本です。
題名からして、まさにシンプルライフの指南書であり、内容も持たない暮らしを実践して支えてくれる内容に仕上がっております。
例えば、持たない暮らしによるシンプルライフを実現した後、それを維持する為の智慧として、特に1章と2章は必読と言える箇所です。
1章は「簡素に暮らす」2章は「手放して、調える」と、所々禅語も挟みつつ、具体的な手法も交えて解説して下さっています。
「簡素に暮らす、簡素な暮らし」については、以前もお伝えしております概念ですね。
参照1:「シンプルライフとは物を持たない暮らしという意味?」
参照2:「シンプルライフなミニマリスト生活の参考になる仏教の本」
簡素な暮らしは、シンプルライフの和訳としてどんぴしゃりですね。
禅僧が書かれている禅の智慧満載の本ですが、禅仏教を難しく語られてはおらず、簡素な言葉でわかりやすく伝えて下さっていますから、読みやすいと私は感じました。
あくまで私個別の感想に過ぎませんがね。
また、後半には禅的生活や禅的な在り方も学べまして、精神面からの持たない暮らしによるシンプルライフへアプローチ出来る智慧も御座います。
猫の写真も可愛いから、1冊あってもよいかな、と個人的に味わいを頂いておる一冊です。
持たない暮らしによるシンプルライフの禅の参考本2:禅、持たない生き方
持たない暮らしによるシンプルライフの参考本2冊目は、:禅、持たない生き方(有馬頼底さん著)
です。
有馬頼底さんは、臨済宗相国寺派管長をされている禅僧で、臨済宗の僧侶であられる方です。
馬が好きな人でしたら、有馬記念に名前を残されている、有馬頼寧さんという方の血縁に当たる方であると、ご存じかも知れませんね。
現在は、相国寺と金閣寺(鹿苑寺)と銀閣寺(慈照寺)という、京都の有名な観光名所ともなっている3つのお寺の住職もされている方です。
最近でしたら、「臨済録を読む」という本を読んだ記憶が御座います。
その有馬頼底さんが書かれた本が、この「禅、持たない生き方」です。
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具体的な方法論がびっしりと書いてあるわけでは無いと申し上げましたが、「こまめに掃除をする」など、方法論もあるにはありますから、ご安心をば。
この本では「欲とどう付き合うか」「欲を捨ててみる」など、持たない暮らしによるシンプルライフ、ミニマリスト生活に直結する智慧を教えて下さっています。
また、断捨離については「断つ・捨てる・離れる」で、禅僧ならではの解釈と解説、そして実際に有馬頼底さんの体験談も記されています。
断捨離は断捨離でも、断食の体験談ではありますし、いきなり真似をするのは大変だとは思いますが、学べる部分もあると頂いております。
枡野俊明さんの本と合わせて読まれると、より持たない暮らしによるシンプルライフの心構えが身につくのではないかと、私は味わいっております。

持たない暮らしによるシンプルライフの禅の参考本3:禅、人生が楽になる考え方
持たない暮らしによるシンプルライフの禅的参考本3冊目は、:禅、人生が楽になる考え方(有馬頼底さん著)
です。
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これ、実は断捨離そのものや、持たない暮らしによるシンプルライフについて書かれている本ではありません。
持たない暮らしやシンプルライフに、もちろん力となって下さる智慧が書かれてはいます。
「本来無一物」「無一物中無尽蔵」などの禅語を紹介して下さっていますし、それらは持たない暮らしによるシンプルライフやミニマリスト生活に直結する智慧となる禅語です。
でも、一見すると断捨離や持たない暮らしの推奨本として、直接的に紹介する人はいないだろうと思えるような本です。
にもかかわらず、何故私がこの本を紹介させて頂いたかと申し上げますと、本書に記されております一つの項目に着目しておるからです。
それは、
:便利さは「生きる力」を弱める
という項目です。
物質社会とも言える今日においては、便利な物が増えたお陰様で行動範囲も広がりましたし、物事の時間短縮も実現しやすくなり、確かにありがたいと言えば有り難い話です。
有り難いのですが、それゆえに身体性が失われたり、生きる力が失われていると言われても、決して言いすぎでは無いと私は思うのです。
例えば、ルンバやブラーバなどの自動掃除機なりお掃除ロボットが大活躍の世の中ですが、その便利さにかまけて、掃除を誤魔化したりしていないでしょうか。
雑巾がけをしなくても済むのは有り難いけれども、それで育った子供は、雑巾の絞り方や雑巾の洗い方を知らずに育つなど、色々と将来的にどうなんだろう、と問わずにはいられません。
物を持たない暮らしによるシンプルライフは、物を買わない生活故に便利な道具からも遠ざかる可能性が大きく御座います。
でも、それゆえに、不便であるがゆえに、否が応でも自分の身体で物事をなす必要性が出て来ます。
私は、「不便さ」には身体性を復活させてくれる力がある、そのように思うのです。
だから「便利さは「生きる力」を弱める」を学ぶためだけに、「禅、人生が楽になる考え方」の1項目のためだけにでも、この本を手にしておく事の大切さを見出したから、今回紹介させて頂きました。
持たない暮らしによるシンプルライフは、物質的には簡素で不便さも出てくるかも知れません。
でも、それによって快適になるというのはもちろん、本当に有り難き事は、不便さによる身体性の復活、そこから育まれる「生きる力」なのかもしれない、そのように味わう今日この頃で御座います。
「生きる力」や身体性の復活のための、持たない暮らしによるシンプルライフを助けてくれる智慧は、こちらにもまとめて御座います。
参照1:「持たない暮らしによるシンプルライフの参考本3冊」
参照2:「シンプルライフなミニマリスト情報まとめ」
参照3:「断捨離実践のコツと効果まとめ」
合わせてお読み頂き、快適な暮らしを実現して頂けたならば、大変嬉しゅう御座います。
合掌