有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
私は、ちょくちょくと東西の本願寺へ行くのですが、特に真宗大谷派のご本山、東本願寺の御法話で、感じた事が御座います。
東本願寺の御法話では、たびたび飛騨高山教区のお坊さん、ご住職が御法話をして下さるために、本山である東本願寺へ来られます。
飛騨高山から京都まで、新幹線で来る事が出来るとは言え、有り難いことで御座います。
実は、飛騨高山という土地は、真宗王国と呼ばれるほどに、真宗・浄土真宗の信仰が篤く盛んであると言う話を、飛騨高山教区のお坊さんからたびたび教わりました。
また、飛騨高山と同じ岐阜県内の白川郷も、「日曜美術館」で、真宗王国であり、真宗・浄土真宗の信仰があると知りました。
そこで今回は、真宗・浄土真宗を巡る旅と題しまして、白川郷と飛騨高山の観光をご案内致します。
白川郷と飛騨高山の真宗を巡る観光の旅の前に歴史の勉強
白川郷と飛騨高山の、真宗・浄土真宗を巡る観光の旅に出る前に、少しだけその辺りの歴史を紐解いてみましょう。歴史的背景を知っていると、趣や味わいが深くなるかと思います。
白川郷と飛騨高山が、真宗王国と言われる程に浄土真宗が盛んになった背景には、一人の真宗僧侶の存在が御座います。
その浄土真宗の僧侶の名前は、
:嘉念坊善俊(善俊上人)
です。
この「嘉念坊(かねんぼう)」という坊号を賜る際に関わった人物が、真宗・浄土真宗の御開山聖人であられる、親鸞聖人で御座います。
嘉念坊善俊(善俊上人)は19歳の時に、親鸞聖人と出会うご縁を持たれました。
それは、親鸞聖人が越後へ流罪になり、そこから箱根に移動されていた時の事の事です。
この箱根での出会い、親鸞聖人と善俊上人の出会いが無ければ、白川郷と飛騨高山が、真宗王国と呼ばれるほどに、浄土真宗が広まる事は無かった事でありましょう。
そうして、真宗・浄土真宗の僧侶となられた嘉念坊善俊(善俊上人)は、白川郷の鳩ヶ谷に道場を建ててお念仏の教えを広め、正蓮寺の礎を築いてゆかれます。
そして、この正蓮寺が中心となって、一大勢力になるまでに、真宗・浄土真宗が盛んな土地へとなっていきました。
現在の正蓮寺は高山市にあり、「真宗大谷派高山別院照蓮寺」として知られております。
ちなみに、「真宗大谷派高山別院照蓮寺」とそれ程離れていない場所(800mくらいの距離)に、「中野照蓮寺」というお寺も御座います。
こちらも真宗大谷派の寺院で御座いまして、真宗・浄土真宗を巡る旅の際には、是非とも立ち寄りたい場所で御座います。

白川郷と飛騨高山の真宗巡り観光の旅1:二つの真宗大谷派のお寺
白川郷と飛騨高山の真宗を巡る観光の旅で、訪れたい一つ目の場所は、:真宗大谷派の寺院
です。
二カ所ありますから、一つ、というのは変な言い回しかも知れません。
まず巡りたいのは、上の歴史を学ぶ項目でもお伝え致しました、
:真宗大谷派高山別院照蓮寺
です。
私は、本山である真宗本廟(東本願寺)の御法話で、よく飛騨高山のお坊さんから「飛騨高山の別院」と言う言い方で教えて頂いたものであります。
飛騨高山で、真宗大谷派の別院と言えば、この真宗大谷派高山別院照蓮寺を指し示すことが多いようです。
そして、この800メートルから1キロメートルほど南に行ったところにも、照蓮寺が御座います。
こちらの照蓮寺は「中野照蓮寺」という通称で呼ばれております。
地図を見て頂くと分かりますが、中野照蓮寺は高山城跡の直ぐ近くにあります。
真宗・浄土真宗を巡る観光の旅をするならば、高山城跡の観光も出来ますから、南から行くと良いかも知れません。
また、中野照蓮寺にいけば、同時に心霊学者である福来友吉さんの記念館「福来博士記念館」も御座います。
念写や千里眼などで名前が挙がる心霊学者です。
真宗・浄土真宗は、心霊めいた事などについては、信じないし惑わされないようにという教義があるけれども、同じ場所で今日も残っているというのは、なかなかに興味深い話であります。
福来友吉さんは、学会追放された後は、禅の研究者になったり、高野山大学の教授になられて、仏教と関連は御座います。
しかし、宗派が真宗・浄土真宗とは違うのですが、何故か真宗・浄土真宗のお寺と並んで記念館が建てられているというのが、縁の不思議を思わせて頂けます。
白川郷と飛騨高山の真宗巡り観光の旅2:
白川郷と飛騨高山の、真宗を巡る観光の旅で、二つ目に行きたい場所は、:嘉念坊善俊(善俊上人)の像
です。
善俊上人の像が安置されている場所は、高山市荘川町というところの「荘川桜」と呼ばれる地に御座います。
高速道路から、白川インターチェンジで一般道に降りて、国道156号線・白川道を真っ直ぐ南下すれば到着致します。
ほぼ一本道ですから、迷うことはないかと思われます。
ここでは、御母衣湖に向かって直立不動の状態にて、合掌されている善俊上人のお姿を拝見する事が出来ます。
なんとも凜とした姿であり、白川郷と飛騨高山の真宗・浄土真宗の歴史巡りをする旅においては、外せない場所であると味わっております。
桜の名前が付いている通り、桜の名所の一つで御座いまして、桜の季節に行かれるのが一番良いかと思われます。
夏は夏で、湖の涼しい味わいも御座いますから、度の季節も味わいの深さはあるでしょうけれども。

白川郷と飛騨高山の真宗巡り観光の旅3:
白川郷と飛騨高山で、真宗・浄土真宗を巡る観光の旅の3つ目は、:明善寺郷土館
です。
明善寺は、白川郷の集落内にある真宗大谷派寺院であり、本堂と他の建物も合掌造りという、なんとも風情と趣のある寺院で御座います。
そしてここは、私も個人的に行ってみたい場所で御座いまして、京都とも縁がある場所であるのです。
しかも、そのご縁というのが、京都にある真言宗のお寺「教王護国寺・東寺」です。
最近になって、同じく真言宗のお寺である「醍醐寺」とも関連があるという事を知りました。
東寺も醍醐寺も、どちらも真言宗で五重塔があるお寺であると言う共通点があります。
そして、東寺と醍醐寺は浜田泰介さんという画家の縁のお寺で御座いまして、その浜田泰介さんが描かれた壁画があるという繋がりが御座います。

上の画像は、実物ではありませんが、壁画はこのような感じの絵だそうです。
その他にも、私が個人的に、京都との共通点を連想する事柄が御座います。
白川郷のかやぶき屋根の建物は、「合掌造り」と呼ばれており、とても風情があると感じます。
そして、その白川郷のかやぶきの屋根は、京都に御座います「かやぶきの里」と呼ばれる美山町を連想するものであります。
白川郷は、かやぶき屋根の建物や、京都のお寺ともつながりを感じる明善寺があったりと、何となく親近感を覚える土地で御座います。

白川郷と飛騨高山の観光は、日本の歴史を感じる風流な観光
今回は、白川郷と飛騨高山の観光について、真宗・浄土真宗を軸とした観光プランと言いますか、縁の土地をお伝え致しました。私個人としても、京都の美山かやぶきの里との関連もあり、白川郷には行ってみたいと常々感じております。
なかなか実現させて頂けるご縁がありませんが、これはご縁に委ねておるところであります。
また、飛騨高山は、真宗大谷派の高山教区で活動されているお坊さんにお話しを頂いて、興味が少しずつ沸いてきております。
白川郷と飛騨高山の観光スポットその1でお伝え致しました「真宗大谷派高山別院照蓮寺」の三門は、なかなかに見所ですからね。
その他にも、湖を見つめて合掌される、善俊上人の像も、写真を見た限りでは厳かな雰囲気を感じまして、生で観たいという衝動を覚えたもので御座います。
宗教的な関わりがある建築物や資料館を巡るというのは、確かに堅苦しさを感じるかも知れません。
お寺やそれに関連する資料館を巡る観光は、騒いで楽しむ類いではありませんから、特に小さなお子さんがいらっしゃる家族連れの観光旅行では、そぐわないというのもわかります。
しかし、私はこういった宗教的な建造物や資料館を巡る旅は、日本の歴史を風流に、趣のあるかたちで触れる事が出来る、貴重な体験であると、体感からもお伝え出来ます。
観光目的ではありませんでしたが、増上寺に寄せて頂いた際には、それを如実に感じました。
もしも、あなたのご実家の宗派が、真宗・浄土真宗、特に真宗大谷派であるならば、白川郷と飛騨高山の観光は、このような趣があると思うのですが、如何でしょうか。
合掌