有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
一人暮らしをされている人にとって、食生活と節約、食費をどうするからの兼ね合いというのは、なかなかに重大な課題ではないかとお見受け致します。
私は一人暮らしの経験が2度ありますが、2度とも社員食がありましたから、一人暮らしの中でも毎日の献立に悩む事は無く、それは大変有り難かった事を記憶しております。
私の友人で一人暮らしをしていた人は、随分と節約料理の献立に苦労して、独自のレシピを発案したと教えてくれました。
また、一人暮らしではなくても、家族のために栄養のある献立を考えるけど、同時にお金には限度があるから、節約料理を覚えたいという希望を持つ人も多いでしょう。
金額を抑える節約料理や節約レシピも良いけれど・・・
現在の状況として、節約料理や節約レシピ、中には1日の食費や一週間の献立を100円単位で切り詰める節約術まで公開して下さるブログ運営者もいらっしゃいますね。節約料理ブログは大変有り難いものですし、なるほどなーって思うものもありました。
ただ、私は節約レシピや献立について、ブログで参照するのはよいのですが、そこから更に大切にして欲しい考え方、意識すべき事があると思うております。
節約料理や節約レシピと言えば、大体が以下のような、金額の話に落ち着くのではないでしょうか。
「1週間の献立は500円×7で3500円で抑える!」
「一人暮らしで贅沢は出来ないから、なるべく安いものを!」
「一晩100円で暮らすんだ!」
このような感じで、金額についての意識が高くなりがちに見えます。
確かに、節約料理と言うからには、お金を掛けない工夫として、出費を抑えた上での献立ありき、レシピありきというのもわかります。
でも、節約料理や考える献立は、最初の段階だけではなくて、作る過程で輩出されるであろう生ゴミもなるべく出さない工夫ということも、節約レシピに組み込む事を提案致します。
生ゴミを減らす事は、そのままゴミを減らすエコ料理やエコレシピとも言えますし、ゴミ袋代金も節約出来ます。
そして、生ゴミを出さない工夫は、食材を全て使い切るという精進料理のレシピに通じ、仏道修行にも通じるのです。
特に禅の世界では、道元禅師という曹洞宗の御宗祖様がいらっしゃるのですが、「典座教訓(てんぞきょうくん)」という書も残されているほどです。
仏教や禅では、それほどまでに人間にとって食は大切あり、食に関わる事の大切さを教え説かれているということです。
節約料理となるエコレシピの一例:大根の葉っぱ
「じゃあ、具体的にどうするの?」という話になりますね。
ここでは、
:野菜を全て使い切る
という例を取り上げてお伝え致しましょう。
同時に、実際に私も実践している節約料理のレシピも紹介します。
一つ目は、大根を使った節約料理です。
といっても、大根の白い部分では無くて、大根の葉っぱです。
大根の葉っぱって、捨ててしまう人、いませんか?
大根の葉っぱは食べられるし、水につけておけば時間はかかりますけれども、またにょきにょきと生えてきて食べられるのですよ。
豆苗を育てていらっしゃるならば、あの要領で育てるのです。
その大根の葉っぱを使った節約レシピですけれども、作り方は簡単料理と言っても良いレベルのもので、卵と一緒に炒めるだけです。
1:大根の葉っぱを細かく刻む
2:大根の葉っぱをフライパンで柔らかくなるまで炒める
3:溶き卵をその上から掛けて、固まるまで待つ
たったこれだけの簡単な料理・レシピです。
大根の葉は、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養価が高い食べ物ですから、捨てるなんてとんでもない話ですし、これこそまさに「もったいない」。
大根の葉っぱも、そのまま食べずに捨ててしまうと、もったいないおばけにとりつかれたり、もったいないばあさんに喝を入れられてしまいます。
参照:「もったいないおばけともったいないばあさんの有り難さ」
それに、大根の葉まで食べる事は、食材を食べきるという事であり、生ゴミも減るという直接的な節約になりますからね、立派な節約料理、節約レシピではないでしょうか。

仏教的節約レシピ:とうもろこしは芯まで使い切る
「食材を感謝して使い切る」という事で言えば、:とうもろこしの芯の有効活用
も、是に当てはまります。
「サチのお寺ごはん」などでも紹介されていたとうもろこしの芯の使い方ですけれども、実はとうもろこしって芯にも栄養が詰まっていることをご存じでしょうか。
![サチのお寺ごはん(1) [ かねもりあやみ ]](http://buddhism-lifehack.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
サチのお寺ごはん(1) [ かねもりあやみ ]
価格:668円(税込、送料込)
私、飾り物として使われている人参や大根も食べた事ありますし。
とうもろこしの芯は、炊き込みご飯やスープの出汁に使えます。
とうもろこしの炊き込みご飯って、作り方はいつも炊飯器で炊いているご飯に、ちょっと一手間加えるだけで簡単にできますよ。
レシピは、とうもろこしの粒を無駄なく芯から切り取って、炊き込みご飯の容量で粒と塩昆布を入れて炊く、これだけです。
もちもち感を出したいならば、米三合に対して大さじ1杯から2杯の餅米を混ぜても良いでしょう。
そして、炊くときにトウモロコシの芯も上に乗せて炊き込めば、芯の出汁を沢山吸ったふっくらほくほくのトウモロコシご飯が出来上がります。
出汁を取れる素材ですから、ピラフにしたりスープの出汁に使ったりと、色々と応用も効きますね。

お買い物の段階で節約料理や献立を考えたり、レシピを発案するのも良いでしょう。
その上で私は
:食材をいかに使い切るか
ということは、食材を使い切るレシピを考える事も大切な節約料理の概念であり、意識すべき事では無いか、実体験からそのように考え提案致します。
節約料理のための節約レシピと、考え方そのものについては、実はこの漫画で学べます。
|
節約料理に挑戦しようという人にも、節約レシピを探している人にも、とても役立つ漫画です。
そもそもとして、お寺の精進料理は食材を無駄なく使い切る智慧が実践されていますから、それ自体が節約レシピと言えます。
節約レシピは、もったいない精神と共に
今回は、節約レシピについて、「サチのお寺ごはん」や、私も実践している大根の葉っぱを使った料理・レシピを紹介しながら、その精神もお伝え致しました。節約レシピと言いますと、どうしても「節約」という言葉に引っ張られて、ついつい金額に目が行きがちです。
確かに、家計の助けとなる節約レシピは、経済面も考える事は大切です。
大切ではありますが、私は節約レシピを考案したり思案するのであれば、パトス(精神性)もはぐくめる節約レシピにしては如何だろうか、そのように思うのです。
料理の修行においては、食材も使い切る事を大切にしており、このことは「もったいない精神」というパトス(精神性)を育むきっかけになるでろうと、私は頂いております。
節約レシピを、お金の節約を中心に考えるのは、これはこれで大切ではありますが、その上で「もったいない精神、食材を使い切る智慧」としての節約レシピも、同時に考えたもので御座います。
食材を使い切る事は、料理のボリュームにも繋がりますし、もったいない精神も育まれて、お金の事以外の賜りものもあると、私は味わっておるのですが、如何でしょうか。
合掌