有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
先日、知人がメールマガジンを発行しておりまして、たまたまその日はそのメールマガジンを読んだのですが、セミナー詐欺によって逮捕者が出た、との話題を頂きました。
↑私はスマートフォンを持っておりませんから、実際はこんな感じではありませんがね。
個人名や団体名は伏せておきますが、某セミナー企画会社とやらが、特定商取引法違反によって逮捕された、とのことです。
詳しい情報については、オンライン上の情報を調べた程度と、そのメールマガジン発行者の情報だけしか有りませんが、まあ、現代社会ならさもありなん、と思うたものです。
大切な事は、ここから我々が学び取る事、そして苦しみを投げつけられた人達の救済、慈悲です。
それが、仏教的な在り方でありましょう。
セミナー詐欺のおさらい
今回の一見は、本人達は否認しているらしく、セミナー詐欺という文言で断定するのは憚られます。ただ、それ以外に上手い表現が見つかりませんでしたし、実際にこの世にはセミナー詐欺は多々御座います。
自己啓発セミナーの中には、詐欺セミナーであったりする事も、実体験から知っておりますからね。
ゆえに、ここではわかりやすく「セミナー詐欺」という表現で、統一しておきます。
今回の、メールマガジン発行者が教えてくれたセミナー詐欺では、被害に遭われた方は、どの人も若い人達ばかり、若者ばかりということでした。
実際に私も調査してみたところ、確かに学生であったり、起業を夢見たり目指す若者達であったという報道が御座います。
そして、警察の調査によれば、消費者金融にまで行かせて、ローンを組ませて借金させてまで、50万円から100万円規模のお金をだまし取った、との事です。
一説によると、契約するまで軟禁状態だとか、銀行にまでお金を下ろさせたり借金させたりするまで就いてくると言う、最早その時点で脅迫罪であったり監禁罪に当たるのではないかと思うのですがね。
なんとも、酷い話です。
クーリングオフはできないとか、内容を見ると、不実告知などの特定商取引法違反に引っかかるそうですが、今後どのようになるかは、時の経過に任せると致しましょう。
やらかした者達は、願わくば、自己の行いを根底から見つめ直し、娑婆世界では慎ましく生きる事を願うばかりであります。
仏教の地獄極楽の概念を持ち出すならば、現時点で完全に奈落一直線ですからね、詐欺をやらかす我利我利亡者は。

セミナー詐欺にあった人達は、まだ社会経験乏しき未来ある若者達
今回のセミナー詐欺疑惑において、私の知人も怒って居た事に、:未来有る若者を食い物にした
という事が御座います。
この怒りにつきましては、私も共に思う事であります。
ここで、条件反射的に自己責任論まっしぐらの人は、「若者にも責任がある」と、言いたげでありましょう。
いわんとしていることは、わからんでもありません。
その一方で私は、「学生だとか社会経験乏しく、しかも未来を夢見ることもある若人に、どこまで高い事を求めているのか」と、問いを発するものであります。
そりゃ、セミナー詐欺に騙されてしまった若者に、隙だとか、大なり小なり欲があったから、と言われたらそれまででありましょう。
確かに、それは否定出来ません。
が、それは本人達が受け止められる状態に回復するまでは、私はいうてはならん事、ぶつけてはいけない言葉であると考えております。
と、言うよりも、経験者として確信を持っております。
言っておきますが、騙された若者達に自己責任論を展開してぶつけたら、最悪、命の危険もありますからね。
それを知らずして、セミナー詐欺でもそうですし、ネットビジネス系詐欺コンサルタントに騙された人、特殊詐欺に騙された人を自己責任論などで責めるのは、間接的に人の命を奪う卑劣な行為です。
実際、魔が差したり命の危険の経験を持ってからは、私はそのことを確信めいた感覚感性で持っております。
そもそもとして、大体にして若者にはまだそれだけの防衛力や対策の力は、育まれてはいないでしょうに。
それに、未来に向けて走っている最中ですから、確かに視野が狭まっていたかも知れませんが、そういうのは騙された若者達以外も経験している事柄でありましょう。
今回のセミナー詐欺の被害に遭われた方々は、その最中に、たまたまそのような御縁が重なってしまった、ということです。
それを、「騙された方が悪い」とか「自己責任」とか、彼らだけが悪いと責め立てる人がいるのは、なんだか悲しく思います。
余計なお世話でしょうがね。
私としては、未来有る若者を食い物にして、一生涯の傷になるやもしれない傷を付けた側の悪業を何とかすべきですし、騙された人達は救済すべきであろうと、考えております。
そして、このような事例を知ったら、「では、我々はどうすべきか」と、自分事として問いを立てる事が、肝要であろうと思いますが、如何なもんで御座いましょうか。
詐欺セミナーは他人事に非ず:自分事として頂くべし
上でお伝えしております通り、今回の詐欺セミナーらしき事柄は、自分事として頂き、精進する事が大切であると、私は考えております。それはどういうことかというと、二つ御座います。
一つ目は、
:詐欺に騙された人を笑うべからず、自分にも起こり得る御縁と知る
ということです。
この視点が著しく書けている人が、「こんなの自己責任だ、俺は騙されないぞ」と、傲慢な事を言い出すのです。
仏教では、縁という考え方を大切にしております。
縁と時節によって調えば、誰がどうなるかは、わからないものです。
詐欺セミナーに騙されてしまって傷ついている人達も、色々な御縁が重なったが故に、こうなったと言えましょう。
もちろん、ご自身が「自分の責任だった」と、きちんと受け止めて精進なさる事は、私も応援するところであります。
間違っても、人から偉そうに傲慢に自己責任論を押しつけられて、やることでは御座いません。
受け止められない時期は、受け止められない時期なりの生き方をすることです。
このような事例を知った我々は、「これは自分にも起こり得る事である」と頂き、騙されないための智慧を磨く事です。
詐欺師の類い、現在は高額塾や自己啓発セミナーや自己啓発系ビジネス、またインターネットビジネス関連のコンサルタントもそうですが、ほぼ詐欺師と言っても差し支え無いレベルに陥っています。
現在のところ、これらの類いで私が見た限りでは、ある概念的な詐欺師である我利我利亡者がほとんどです、ほぼ例外なく。
それと、これは心療内科のお世話になった経験から、自分でも色々と調べたのですが、ある種の精神疾患が見受けられます。
これは、インターネットビジネス系や自己啓発系ビジネスの詐欺師なる我利我利亡者のブログを見ると、その鱗片が垣間見られます。
詳しく言い始めたらきりがありませんから、この辺りで専門的な話はやめておきましょう。
ただ、こういうことを知っているだけでも、騙されない知識となり、智慧に昇華させていけます。
セミナー詐欺など、詐欺事件の報道を見るたびに、「騙されるなんてバカだねえ」というのは、それこそ愚か者のすることです。
私ならば、騙されてしまった人達の傷が、少しでも和らぎ早く立ち直れる事を念い、自分事として受け止め、自分や周囲の人から騙されない智慧を磨く事を考えますがね。
そして、二つ目は、
:今度は自分が詐欺師や我利我利亡者になってしまわないか
と言う事を考える事です。
このことは、一つ目の事よりも、更に見落としがちな事柄です。
そしてこれは、インターネットビジネス関連でよく見られる現象です。
それは「詐欺的な手法、似非コンサルタントの類いの元で運良くお金を稼げた場合、そのコンサルタントや手法を神の如く崇めて、狂信者になってしまうという現象」です。
そして、次は自分がその詐欺的手法で荒稼ぎする、言うなれば「詐欺師のネズミ講」です。
残念ながら、私もそのような我利我利亡者に陥ってしまった詐欺コンサルタントを目撃するに到ったもので、本当に詐欺をやらかしてしまった事例を知っております。
肝要な事は、それも自分には関係無いと思わずに、「もしかしたら、自分もこのように陥ってしまうかも知れない」と、常に我が身を問う事です。
詐欺の事例から我が身を問い続ける、このことが、我利我利亡者や詐欺師になってしまわないための、仏教的な智慧に御座います。
親鸞聖人は、同朋の唯円さんに、「自分が人を滅さないのは、善人だからではありませんよ。たまたま、そのような縁が結ばれていないからですよ。」と諭されました。
この事は、「歎異抄」の第13条にも書かれている事です。
これは、己の悪人性と一生涯向き合われた、親鸞聖人の人となりが窺える教えで御座います。
この教えを元に、詐欺事件を見たとき、「自分も騙される側になる可能性があり、また騙す側になってしまう可能性もある」と、頂く事です。
そうすることが、騙されない、そして騙さない智慧も働き、善因となる人になっていく道も開けましょう。

セミナー詐欺や自己啓発系やネットビジネス系詐欺に遭われた方へ
最後に、私は詐欺に遭われた全ての人、そして、ここではセミナー詐欺に遭われた若者達へ、伝えたいことがあります。「あなたは、決して悪くない」
世の中には、自己責任論が蔓延しておりますし、その人のために、あえて厳しくそうしているという事例も、十分承知しております。
甘やかさずに、そこでより厳しくすることによって、戒められる人もいらっしゃいましょう。
でも、私も経験しましたが、受け止められる程の生来的な性質を持ち合わせていない人であったり、繊細で傷つきやすく騙されやすい人は、人生のどん底というレベルにまでうちひしがれています。
仏教の視点では、それも錯覚だと言う事は出来ますが、そんな事を言っても、その人には届かないし響かないでしょう。
実際、私もそのような経験、ありますから、体感として理解しております。
もちろん、その当事者そのものの苦をわかるなんて、傲慢な事は申しませんけれども。
大体、今回の詐欺セミナー疑惑においては、騙された人達は、まだ社会経験乏しい若者ばかりです。
学生であれば、学業やアルバイトもあり、その上で起業の勉強もされていたのだろうと察します。
一方で、詐欺師や我利我利亡者は、人を騙してでも金を取ることに、四六時中頭と体を使っています。
インターネットビジネス業界の高額塾やコンサルタントの類いも、そんな感じです。
お客様がまだ全然結果を出していない状態で、次の集金企画を計画してる等、本末転倒なことをしている事からも、その事が読み取れます。
四六時中、あなたの財布からお金を取ることしか考えていない輩に、社会経験がまだ乏しくて免疫も無い素人が騙されるのは、不思議な事ではありません。
その上、騙されたら「騙される方が悪い、自己責任だ自業自得だ」なんて、あんまりです、踏んだり蹴ったりです。
実際に、それで命を落とす人もいらっしゃいます。
そのような事が無いように、現在は仏教界では、各宗派がそのような人達を救済する活動をして下さっています。
私は僧侶ではありませんが、そのお手伝いをさせて頂きたく、今回のような話をしております。
また、自己啓発セミナーなど、セミナー詐欺の実態や断り方などは、こちらに示しておりますから、ご参照頂ければ幸いです。
参照:「自己啓発のセミナー危険な実態|大阪での体験談」
参照2:「自己啓発セミナーは宗教より怖い話もある」
参照3:「自己啓発セミナーの断り方の実例」
参照4:「自己啓発セミナーに洗脳と搾取をされない智慧」
「お前は甘い」「自己責任だ」と、何度言われようとも非難されようとも、詐欺師に騙された人に、私は何度でも言い続けます。
あなたは、悪くない。
苦しい思いをしているあなたは、傷ついているあなたは、決して悪くない。
他の誰が、騙されて傷ついているあなたに対して、自己責任だとか責めるようなことを言っても、私は、あなたを念います。
今、そこで苦しんで辛い思いをしているあなたは、決して、悪くありません。
合掌