有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
あなたは、お盆の時期や期間に、お盆のエトス(行為様式)について考えた事は御座いますか?
また、お盆そのものについて、「そういえば、お盆ってなんだろう?」と、一度は考えた事があるでしょうか。
お盆休みの期間と言えば、最近は家族で海外旅行に行く人もいらっしゃり、田舎・故郷で家族揃ってお墓参りや仏壇の前でお盆を味わうという風習は、薄れている現代社会なのかもしれません。
私は、お盆という風習が日本にあって、味わい深く風流であると頂いておる身で御座います。
そういう私個別の事情もあり、このお堂(ブログ)でも色々とお盆の話を致しました。
ここで一つ、お盆についての情報をここに集約して、このまとめページから個別に学べるようにさせて頂きます。
お盆とは何か、その意味を仏教から学ぶ
お盆とは何か、お盆休みの期間中に、子供達に「お盆って何?」「なんでお参りするの?」と、聞かれた経験がある人も、いらっしゃるのではないでしょうか。また、ご自身で「お盆とは何なんだろう?お盆の意味って何?」と、大人に尋ねられたり、考えられた経験をお持ちの人も、多いのではないかと勝手に思うております。
お盆とは、仏教の偽経「盂蘭盆経」を紐解いて見たり、エトス(行為様式・風習)なり伝えられている話を元にすれば、自ずとその由来や意味が見えてきます。
参照:「お盆とは何か?意味を盂蘭盆経から学ぶ」
何故、お盆が「施餓鬼会(せがきえ)」や「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という呼び名もあるのかが、この記事で理解して頂けるかと存じ上げます。
ご先祖様、祖霊を敬い感謝申し上げるのがお盆という認識ではありますが、仏教由来の話と意味を知っておくことも、子供や人様にお盆とは何かを説明する際に、役立つと思われます。
また、盂蘭盆経を学ぶと言う事は、「布施の大切さ」を学ぶ事でも御座います。
上で紹介致しました記事で話しておることですが、盂蘭盆会では、木蓮尊者が母親を餓鬼道から救うべく、どうすれば良いのかを釈尊(お釈迦様・ゴーダマブッダ)に尋ねます。
そして、その時に「布施行」をなすことを説かれて、木蓮尊者は布施行に励みます。
このような「盂蘭盆経」の話から、「我利我利」ではなく、「自利利他」の布施行をなすことの大切さを学ばせて頂ける、私は盂蘭盆経を味わわせて頂いております。
盂蘭盆会の時期には「盂蘭盆経」を学んで、「自利利他円満・慈悲喜捨の布施行」を学ぶ良い機会である、そのように思います。

お盆の期間やお盆休みについて
お盆の季節と言えば、カレンダー通りの仕事の仕方をされているならば、お盆休みの期間がいつからいつまでか、という事を考える人も多いでしょう。お盆休みの期間がきっちり決まっておれば、海外旅行や田舎・故郷の実家に帰る予定が立てやすいのですからね。
お盆休みを始め、お盆の期間というのは、実は地域によって違います。
参照:「お盆の期間はいつ?月遅れや新盆の話」
参照:「お盆休みの期間に先祖のご縁を想う」
お盆休みについては、お勤め先のカレンダーなり日程表を見て頂くとして、地域毎に違うお盆の期間について、上の記事で基礎的な内容をお伝えしております。
何故、地域によってお盆の時期や期間が違うのか、それも仏教徒関わる話もあります。
お盆休み期間中は、例え海外旅行先にいても、せめて13日の夕刻と16日の夕方、送り火と迎え火の時間くらいはご先祖様・祖霊に感謝申し上げたいものである、そのように思います。
旅行先でも、祖霊を敬い感謝申し上げる事は出来ますからね。
また、帰郷して田舎にてお墓参りなり仏壇に合掌されるなら、家族一緒に各々の宗派に合わせたお盆の過ごし方をされてはどうでしょう、と提案致します。
私も、お盆休み期間中は、お盆の準備をして、お坊さんをお迎えし、お坊さんに仏壇の前で盂蘭盆法要を営んで頂いております。
ちなみに、浄土宗ではお坊さん、菩提寺の和尚さんの事を「おっさん」と呼び、2016年もおっさんにお越し頂いて、無事に法要をして頂きました。
最初、私の知っている御経ではなくて、真言が混じっていたのが新鮮であり、その事を尋ねようかと思いましたが、お忙しそうだから後日、お彼岸にお寺に行ったときにしようと思ったりしたものです。
お盆のお供え物についての話
お盆と言いますと、各ご家庭の宗派・宗教なりエトス(行為様式)に違いが御座います。例えば、私は浄土宗の檀家であり、浄土宗の念仏者です。
浄土宗では、お盆には精霊棚をこしらえて、迎え火と送り火で祖霊を送り迎えさせて頂き、菩提寺の和尚さんにお越し頂いて御経を称えて頂きます。
浄土真宗では、特別なお供え物や精霊棚をこしらえたりはしませんが、盂蘭盆法要はあります。
参照:「お盆のお供え物にまつわる話」
上の記事でも触れてはおりますが、「うちはお盆ってどう過ごすのが習わしなのだろう?」と不安に思われる方は、一度菩提寺のお坊さんに尋ねられると良いでしょう。
出来れば、お盆休み期間中は凄く忙しいのがお寺事情、お坊さんのご事情だと思われますから、前もって尋ねておくようにしたいところですね。
私は、このお盆という風習があるお陰様で、家の宗派なり宗の教えを知るきっかけになるから、大切にしていきたい文化であり風習であると感じております。
また、お盆にはお供え物をお供えするけれども、普段は全くそのような事は無い人にも、このお盆という期間や風習をきっかけに、考えてみては如何だろうか、という事が御座います。
参照:「仏壇にお供えする習慣」
お盆・盂蘭盆会という期間を機会として、ここから仏壇にお供え物をお供えする習慣を身につけ、更にそこから育まれる精神性も大切にすることを、私は提案致します。

お盆の送り火と迎え火や京都の五山の送り火などまとめ
お盆には、祖霊を自宅にお迎えして、16日にはお見送りするために「送り火・迎え火」の風習が御座います。参照:「お盆の迎え火と送り火」
現在は、消防の課題や隣近所とのこと、マンションなどの団地住まいだと、なかなか難しい事もあるかと存じます。
そういう場合でも、何とか送り火と迎え火を模した送り迎えが出来ないか、という事についても、参照記事にて紹介させて頂いております。
京都では8月13日から8月16日がお盆の期間であり、8月16日は京都のお盆、そして京都の夏の風物詩である「五山の送り火」があります。
参照:「京都の五山の送り火が雨天でも中止しない事に観るエトスの伝承」
お盆という風習は、ただ口聞伝としてではなく、精霊棚やお供え物、五山の送り火を長い間伝承されている事から、エトス(行為様式)の大切さを学んで頂けるかと思います。
行為としての伝承があるからこそ、確かな形で伝承・継承がなされていく、私はそのように頂いており、また味わっております。
京都のお盆と言えば、お盆の期間直前に「京の七夕」も御座います。
参照1:「京の七夕は堀川や鴨川で旧暦を味わえる」
参照2:「七夕の情報まとめ」
上の記事から七夕にまつわる話を巡回して頂けましたら、京の七夕を味わいながら、旧歴の日程で七夕を楽しめる上に、お盆との関わりも知る事が出来ます。
日本には、お盆をはじめとした風流で味わい深い風習が根強く残っており、改めて伝承して下さった先人達に頭が下がる思いです。
その事に感謝申し上げ、また私たちも次世代へ大切に伝承していきたい、そのような事に思いをはせる今日この頃で御座います。
合掌