お盆の迎え火と送り火

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

あなたのご自宅、ご実家では、お盆の期間に迎え火と送り火を焚く風習は御座いますか?
225242 お盆の期間、13日の夕方には迎え火を、16日の夕方には送り火を焚いて、祖霊の送り迎えをすると言うのは、一般的なお盆の風習です。

最近でしたら、防犯や消防の関係で、特にマンション・団地住まいの方でしたら、なかなか難しいかもしれません。

私は、この送り火と迎え火の風習は、とても情緒と風流を感じるものでして、絶やさずに伝えたいという思いを持っておったりします。

スポンサーリンク

お盆の迎え火は麻幹(おがら)を13日の夕方に焚く

現代社会においては、お盆に迎え火と送り火を焚く風習を、受け継いでいる人はどれほどいらっしゃるでしょう。

暴騰でお伝え致しました通り、住宅事情も絡んできますから、なかなかやりたく出来ないという事情から、風習が途絶えてしまうことも懸念されます。

そこで、まずは知識の継承から始めましょう、という事で、お盆の送り火と迎え火についてお話し致しましょう。



まずは、お盆に祖霊を迎えさせて頂くエトス(行為様式・風習)である「迎え火」からです。



お盆の迎え火は、麻幹(おがら)を13日の夕方に焚くことで、祖霊を家にお迎えするというエトス(行為様式・風習)です。



祖霊は、迎え火を焚いたときに出る煙に乗って、家に出入りされるという言い伝えから、そのような風習が残っております。

その迎え煙を出すのに使うのが「麻幹(おがら)」という植物の木質部分です。

かやぶき屋根のある風景、岐阜県の白川郷の合掌造り屋根に使われているから、知っている人もいらっしゃるやもしれません。

また「麻幹」は、邪を払い清めるための松明にも使われますから、神社の神事、火祭りに詳しい人も「ああ、あれか。」とピンとくる人もいらっしゃるでしょう。



麻幹は、最近でしたら各地域毎にお盆の季節になりましたら、花屋やスーパーマーケット、ホームセンターなどで販売され始めますから、手に入れるのはさほど難しくありません。

最近では、便利なセットものが通信販売にて安く販売されており、有り難いものです。

お盆の迎え火は、焙烙(ほうろく)と呼ばれる平べったい小さな器に、井桁に組んで焚くのが習わしです。

上の写真にある、平べったい茶色の器が焙烙です。

お香を焚く習慣がある人にとっては、馴染みのあるものだと思います。



また、これは浄土宗で教わったのですが、焚き物に迎え火で使うのは麻幹の他に、苧殻もあります。

積み方は麻幹と同じように苧殻を井桁の形に積み重ねて、それに火を付けて焚き、煙を出して祖霊をお迎えするのです。

お盆の準備が出来て、13日の夕方を迎えられたら、迎え火を焚いて祖霊を実家にお迎えしましょう。

最近でしたらこんな感じで、サクッとお供えするものも通信販売サイトでセット売りされております。

ただ、私としましては、キュウリやナスに割り箸なり棒を突き刺したり等の準備は、自分の手でやりたいものですがね。

こういうのは、お盆の準備は毎年やりたいけれども、どうしても準備が時間的に難しく、肉体的な疲弊によって出来ない人用の物だと思いたいところであります。
478471

お盆の送り火は16日の夕方に

13日に、麻幹や芋殻で迎え火にて祖霊を迎え入れましたら、今度は送り火にて御浄土へまたお送りする風習も御座います。

迎え火と送り火は、セットで行う風習です。

地域や信仰、宗派によっては、極楽浄土ではなく、各々の送り迎えする方向なり場所があるでしょうから、それに準じて頂くと良いでしょう。



お盆に送り火を焚く時期・時間は、16日の夕方です。



16日の夕方になりましたら、迎え火と同じ要領で、麻幹や芋殻を焙烙の上に井桁状に組んで送り火を焚きます。
スポンサーリンク

京都には五山送り火の風習がある

私が住まわせて頂いております京都では、送り火に関しては「五山送り火」で祖霊を送って頂けますから、門前や玄関で送り火を焚く風習は薄い地域だったりします。



京都では毎年8月16日になりますと、街の灯りを消して五山送り火を焚く事によって、祖霊を送らせて頂く風習が今も続いております。

ここから、京都のお盆の季節・期間は8月13日から8月16日であるということを読み取って頂けるかと存じます。



別の機会にお伝え致しますが、私は五山送り火について、京都の民による歴史の火を絶やさずともし続ける心意気・粋を感じております。

参照:「京都の五山の送り火が雨天でも中止しない事に観るエトスの伝承」



京都以外のお盆で祖霊を送らせて頂く風習としましては、九州地方では「精霊流し(しょうろうながし)」をされます。

精霊流しも、とても美しく風流な祖霊の送り方であり、地域によっては15日の夕方か16日の夕方と、日程が違うようです。

ただ、最近は環境の課題もあって、この精霊流しという風習が薄れつつあると言う話を見聞き致しました。



環境や防犯・防災のために、迎え火や送り火、精霊流しがやりにくいのは理解出来るのですが、風流な祖霊を大切に思う風習がなくなっていくというのは、何とも忍びない思いが御座います。

現代社会特有の諸問題・課題があるのはわかりますが、私と致しましては、このような風流で情緒あるエトス(行為様式・風習)は、伝承していきたいという思いを強く持っております。

ゆえに、何とかこれらの諸事情と、上手く折り合えるような模索を続けていきたい、そのように思う今日この頃に御座います。
091300

お盆に麻幹や芋殻を焚いて迎え火と送り火をしたくても・・・

お盆に迎え火を焚く風習は、私は情緒溢れる風流な夏の景色であり、夏の風物詩であると感じるところであります。



しかし、団地住まいや消防などの条例や決まり事の関係上、なかなか難しいのが現代社会の性というものです。

確かに、送り火と迎え火で火を焚いたとき、風で火の粉がまき散らされたりしたら危険ですから、それはそれで理解しております。



煙を焚く送り火と迎え火は、祖霊をお迎えするためにやりたいところではありますが、これは各々の住宅事情と相談して行われると良いでしょう。



マンション・団地住まいなら、玄関や家の中で安全な場所で送り火と迎え火を焚かれると良いと思います。

安全面を考慮して、直ぐに対抗できるように、バケツなりペットボトルに水を入れて置いて、送り火と迎え火のすぐ近くに設置しておくのも賢い智慧です。

防災の関係上、どうしても焚くのが難しい場合、京都にお住まいの人ならば五山送り火にお任せして、それ以外の地域の方は、鬼灯や本提灯でお迎えするのが無難です。



大切な事は、いかに祖霊を気持ち良くお迎えするか、その精神・気持ちが大切です。



風流な送り火と迎え火の風習は絶やしたくないところではありますが、時代に沿った工夫と智慧で、心を込めてご先祖様を送り迎えさえて頂く。

風習と共に、祖霊を大切に思う精神性は、伝承していきたいものであります。



そうはいっても、私は伝承の形としてのエトス(行為様式)が、私は凄く重要だと思うのです。

確かな形で伝えやすいというエトス(行為様式)の力は侮れません。



送り火と迎え火と、現在の住宅事情や防災との折り合い・兼ね合いを、模索する次第であります。



尚、今回の話と関連した、お盆についての話を、こちらにまとめております。

参照:「お盆の情報まとめ」



合わせてお読み頂き、この参照記事を基軸として各項目に進んで頂ければ、個別に、そして総合的にもお盆を学んで頂く事が出来ます。

お盆について意外と知らない人も多いのではないかと思う現代社会において、お盆を知って頂くきっかけになれば、幸いで御座います。



合掌

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加