モチベーションの意味と英語|間違った使い方をしないために

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

以前、このお堂(ブログ)にて、「モチベーションとは」と題しまして、モチベーションの意味と使い方について、触れた事が御座います。
133947 モチベーションとは何か、その意味は現代社会においては「やる気」という語感・ニュアンスで使われる事が多い事でありましょう。

「仕事のモチベーションを上げる方法」とか「勉強をするために、モチベーションアップだ」という使われ方からして、「やる気を上げる=モチベーションアップ」という認識で差し支えなさそうです。

確かに、このような理解でも、現在は通じます。



ただ、ここは一つ、仏教用語が現代語、常用語としてさすらった経緯を辿る旅をする事があるこのお堂(ブログ)らしく、モチベーションの意味も語源から学ぼうかと、ふと思い立ちました。

仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」を説きまして、言葉がさすらうのも、仏法と出会える機縁となるやもしれません、というのは強引でしょうかね。

スポンサーリンク

モチベーションの意味と使い方のおさらい

モチベーションについて、語源から辿って意味を頂き直すとともに、味わいを深めるその前に、まずはモチベーションの現代的な意味をおさらいしておきましょう。

モチベーションとは何か、その意味については、以前も取り上げておりますから、おさらいはさらっとだけしておきます。

参照:「モチベーションとは」



モチベーションとは、現在であれば「やる気、意欲、目的意識」「行動原理、行動する理由、動機付け」辺りの意味が御座います。

「モチベーションが下がった」というと、「やる気が失せた」という意味であると、捉えている人も多いかと存じます。

「動機付け」という意味や「行動する理由」として捉えた場合、「動機付けが上がったり下がったりとは何ぞや?」と、違和感を覚えるものです。

実際に私は、「動機付けって上げ下げするものなにか?上がる下がるの問題か?」と、問いを立てたものであります。



また、目的意識という意味もありまして、モチベーションを上げるというのは、「目的達成のために行動する意欲を高める」と言う意味としても捉えられます。

現在でしたら、この状態を周囲に振りまいたり、自己顕示欲全開でまき散らしている輩を「意識高い系」と、揶揄されるのでありましょう。

自己顕示欲全開で、周囲も迷惑になるくらいに巻き込む側も、揶揄する側も考え物であると、私は観ておるのでありますがね。
514721

モチベーションを語源から意味を味わう

さらりとモチベーションの意味をおさらいしたところで、いよいよ本題で御座います。



モチベーションの意味を、語源から味わう旅を致しましょう。



モチベーションとは、「motive」に「ation」がくっついて変化し、「動機を与える事」という意味が御座います。

豆知識として「motivate」は「動機を与える」、「motiveless」は「動機や目的がない」という意味です。

そして、語源を辿るときには、原形である「motive」という英単語をつがいと致します。



「motive」という英単語の意味は、
:(人を行為・行動に駆り立てる)動機
です。

その他にも、「人体の動く部分」「動かす」とか「扇動者」という意味も御座います。

現代社会において「アジテーター」と呼ばれている人達は、この「扇動者」という意味で使われております。



そして、この「motive」の語源が、ラテン語の「motus」です。



英語の語源を辿るときは、ギリシャ語やラテン語を学んでおくと、スムーズに語源へアプローチ・接近することが出来ます。

この話は、言語学者である溝江達英さんや、私にラテン語の基礎を教えて下さった山下太郎先生から教わりました。

モチベーションの原形、motiveから語源を辿ると、どうやら「やる気」や「意欲」というはなく、「動機」であったり「動く」「動き」という意味の言葉であることがわかります。
スポンサーリンク

モチベーションの意味を語源からのさすらいを考えて見る

モチベーションの語源は、ラテン語の「motus」である事が分かり、意味も「動機」「動かす」であることもわかりました。



勘の良い人や、ラテン語を学んだ人、英語に詳しい人ならば、関連して「motion」についても、ピンと来た事でありましょう。

「motion」の語源はラテン語の「motio」で、これも動くことに関する意味が御座います。

「motion」の意味には、「運動、衝動や激情、発意や意向」という意味もありまして、動くことの他にも、動くための原動力となる衝動なり情念、意識の発動という意味が見えます。



「motive」と「motion」には、言語的なつながりがある事を、感じ取って頂けるのではないかと存じます。



どこかの解説サイトで読んだのですが、「感動や感激を表すラテン語」に、「motus」と「animi motio」と御座いました。

「animi」とは、山下達郎先生から教えて頂いた言葉で御座いまして、「心、精神」という意味です。

つまり「心が動く、感情が動く、感動する」と言う意味で「animi motio」と表現されます。



このような言葉の繋がり方を考えると、現在使われている「モチベーション」の意味が、「やる気」と訳される、解釈されるようになったのも、何となく頷ける気が致します。

「動機があれば心が動く、動機が行動する発意となる、そこからやる気へと繋がった」というところでありましょうか。

言語のさすらいとして、学術的には間違いであるかも知れませんが、そのような言葉のさすらいの味わいを頂いております。
112215

モチベーションの意味を語源から頂く際に力を貸して下さった人と本・辞典

モチベーションの意味を、語源から辿る事で、新たな味わいや頂き方をしていただけたかと存じます。

教養の一つとして、覚えて置いて頂ければ幸いに存じます。



さすらい方や語源からの変遷について、学術的なことが知りたい人は、独自に深めて頂ければと思います。

その際には、山下太郎先生のラテン語の教科書が、力になってくれるかと存じます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

しっかり学ぶ初級ラテン語 [ 山下太郎 ]
価格:2052円(税込、送料無料) (2016/10/3時点)



格変化など、最初の内に暗記すべきことが結構ありますけれども、暗記の仕方については、こちらが参考になるかと思われます。

実は私も、音読して一時期は格変化を暗記したものです。

現在は、御経や偈文を読誦して覚えたものですが、これはラテン語の格変化暗記にも大いに力となってくれます。

発音も同時に覚えられますから、格変化を覚える時は、声に出して覚えられるとよいかと存じます。



更に学習を進めたい方は、上記の本で基礎を整えてから、トレーニング本を活用されると良いでしょう。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

しっかり身につくラテン語トレーニングブック [ 山下太郎 ]
価格:2700円(税込、送料無料) (2016/10/3時点)



機会があれば、山下太郎先生が定期的に行われておりますから、参加してみられると良いかと存じます。

英語の語源については、溝江達英さんが紹介されていた、こちらの「英語語源辞典(縮小版)」を活用しております。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

英語語源辞典縮刷版 [ 寺沢芳雄 ]
価格:7992円(税込、送料無料) (2016/10/3時点)



合わせて持っておくと、語源を調べる時にとても捗ります。

モチベーションの意味と語源から、仏教の言葉をラテン語にしてみる

折角ですからラテン語で仏教の言葉を一つ、表現してみたいと思います。



仏教には、「輪廻(りんね)」という概念が御座います。

このお堂(ブログ)でも「六道輪廻(ろくどうりんね)」についてお話しした事がありますが、その「輪廻」です。

六道輪廻は、私は人の心の移り変わり、経巡り方や循環であると頂いております。



「輪廻」を、現代的な言葉で訳すならば、「循環」と言ってもよいでしょう。

そして、この「循環の動き」は「循環運動」と言い換えることが出来ます。



そうした言葉の導きから、「輪廻」を循環運動と位置づけた場合、ラテン語でそれを表現するならば「cyclical motus」です。

「cyclical」というラテン語は、現在の英語で「cycle(サイクル)」に繋がっていると、勘の良い方でしたらピンとくるかと存じます。



言葉は、このようにさすらいを下手経路を辿ったり、語源まで遡ると、面白さや興味深さが芽生え、それがまさに「モチベーション(やる気や意欲)」に繋がる、そのように味わいを頂く次第で御座います。
305769

モチベーションの意味を語源から味わった今回の話から伝えたい仏教的な事柄

今回は、モチベーションの意味を、語源まで遡って、その意味を改めて味わい、教養にもする事と致しました。



これが、一体どうして仏教・仏法と繋がるのか。



仏教には「そもそも論」と言いますか、源泉まで物事を辿るという思考方法が御座います。

それが、仏教が宗教と言われる一方で、哲学的であるとも言われるゆえんであると、私は解釈して頂いております。

仏教が宗教か哲学かという議論は、ここではおいておきます。

そもそも、私はどちらであるとも断定出来ないのでありますがね。



話を戻しますと、例えば、今回の話では「モチベーションの意味を語源から味わう」という表題でお送りしております。

そして、何故そのような話をすることに到ったかと言いますと、「そもそもモチベーションとは何か」という問いへの到達」があったからであります。



当たり前に使っている言葉への認識や、当たり前と思っている事柄について、問いを立てるというのも仏教的な営みであり、仏教的在り方や生き方である。

このような頂き方をしております私で御座います。



モチベーションの意味を、そして語源を知る事も大切でありますが、それらの知る際の前提となります「問い」を大切にしたい、その事を味わって頂ければ、と思うのです。

問う事、問いを立てる事が、「モチベーションアップ」にもなろうかと、そのようなまとめ方は、少々強引でありましょうかね。



尚、モチベーションの意味や頂き方については、こちらの話も参考になるかと存じます。

参照:「やる気が出ないときに考えること」

参照2:「やる気を出す方法と仏教・禅の智慧」



仏教では、やる気も刺激と言う考え方もあり、「やる気の出し方」という事から、新たな問いを立てて頂くことも、生きる智慧となるかと存じます。



合掌

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加