有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
この投稿からは少々時間が経過しておりますが、先日、マインドフルネスと瞑想の講座に参加させて頂いて来ました。
私は、東福寺の塔頭寺院や十夜フェスなどで、坐禅の体験を教わり、普段は坐禅をしております。
ただ、フリースタイルな在家仏教者ということもあり、最近は原始仏教サイドのことも学んでおりまして、瞑想についても実際に習いに行こうと思い立ったものです。
このお堂(ブログ)でも、マインドフルネスや瞑想についてはたびたびお伝えしておりますから、言っている本人である以上は、やはりきちんと体験しないと、という使命感や責任感にも背中を押されながら、行って参りました。
今回、私が参加させて頂いたのは、プラユキ・ナラテボーさんのマインドフルネスと瞑想、そして仏教講座です。
プラユキ・ナラテボーさんとは
先日、プラユキ・ナラテボーさんのマインドフルネスと瞑想と仏教講座を、1日掛けて習ってきましたが、もしかしたら「プラユキさんって誰?」と、思われる方もいらっしゃるやもしれません。簡単にお伝えしておきます。
プラユキ・ナラテボーさんとは、日本人比丘(びく:修行僧のこと)で、現在は日本とタイのスカトー寺というお寺を行き来されているお坊さんです。
原始仏教サイドのお坊さんで、日本に帰国されている間は、各地を回って対談をされたり、瞑想指導をされています。
大学は上智大学のご出身ですが、卒業後にタイに渡られて、タイの大学院ばれた後、スカトー寺にて出家され、そこから僧侶として活動し続けられて、現在に到ります。
現在は、タイのスカトー寺の副住職につかれていて、ルアンポー・カムキアン師から学ばれた各種瞑想を指導されています。
主に教えて下さるのは、「チャルーン・サティ」という瞑想法で、手動瞑想を私も習ってきました。
プラユキさんは、その他にも呼吸瞑想なども習得されていて、今回私が参加したマインドフルネスと瞑想の講座でも、教えて頂いて参りました。

プラユキさんとの御縁と主な著書・本
私が最初に出会った御縁は、魚川祐司さんという著述家で翻訳家の方と、同志社大学で対談された講座です。お二人の対談本も、出されておりまして、こちらではマインドフルネスの誇大広告や、瞑想難民になってしまわないための注意を伝えて下さっています。
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魚川祐司さんについては、noteでも彼の考え方を知る事が出来て、なかなかに鋭い事を仰っていたり、なるほどなあ、と考えさせて頂ける話も御座います。
魚川祐司さんの瞑想に関する本は、こちらが最も完成度が高いのではないか、と感じております。
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プラユキ・ナラテボーさんの瞑想や仏教についての学びを得られる本と言えば、私はこの本が集大成的であるかな、と感じております。
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プラユキ・ナラテボーさんの本は、どれもわかりやすく、そして優しく語りかけるように書かれていて、私としては親しみを持って読み進めております。
プラユキさんと直接はなしをさせて頂く機会が、2度の懇親会で少しだけあったのですが、語り口調も優しく、眼差しも優しいという印象を持ったものです。
先に本での御縁があり、また一度仏教講座を受講したという御縁もありまして、瞑想を学ぶならこの人に、と思っていたところ、有り難い事に、今回の瞑想講座の御縁を頂いた、というわけです。

マインドフルネスと瞑想:プラユキ・ナラテボーさんの呼吸瞑想
今回、私が教わってきました瞑想は、「気づきの瞑想」です。今回は「マインドフルネス気づきの瞑想会」と題して行われました。
午前中は呼吸瞑想を教わり、「今、ここで呼吸しているに気づく」ということで、繰り返し呼吸に気づくマインドフルネスな瞑想に取り組みました。
瞑想というと、小池龍之介さんやアルボムッレ・スマナサーラ師が色々な本で教えて下さるマインドフルネスや瞑想の方法ですと、ラベリングという事をしますが、プラユキさんの瞑想ではそれは行いません。
「ラベリング」とは、例えば歩くときに右足を出すとき「今、右足を上げている、前に出している、下ろしている」と、逐一実況中継する事です。
そういう瞑想方法やマインドフルネスの方法もありますよ、とは教わりましたけれども、今回はラベリングをせず、集中しすぎず、しかし弛緩しすぎず、という塩梅での瞑想です。
午前中は、このような気づきの呼吸瞑想を3時間くらい掛けて教わりました。
結構みっちりと実践して、体で覚えたと言う感覚が御座います。
マインドフルネス気づきの瞑想:プラユキさんの手動瞑想と歩行瞑想
午後からの講座は、仏教の座学の後で、動きのある、身体性のある瞑想を2種類実践してきました。座学の仏教講座では、プラユキさんが大切に教えて下さっている「良き縁に触れ、良き縁となし、良き縁となる」という事を、詳しく教えて頂いて参りました。
私も、この「縁」というのは凄く大切にしている事であり、この辺りはとても共感したものです。
私は、浄土宗の檀家であり、浄土仏教者という自覚はありますけれども、御縁の大切さについては、日本の仏教とも関わっていたり、共通する土台があるかなあ、と漠然とですが感じたもので御座います。
座学が終わった後、いよいよ動きのあるマインドフルネス瞑想です。
今回教わったのは、手動瞑想と歩行瞑想です。
手動瞑想は、「今、ここにある手に気づく事」を、手を動かしながら繰り返すというものです。
動画も出ていますから、これを見て頂くとわかりやすいかと思います。
今回、私が教わった手動瞑想は、本当にこの動画のまんまです。
「気づいてー、気づいてー、妄念が出てもオッケー、オッケー、自分を責めないでー・・・」と、誘導して頂きながら、丁寧に指導して頂きました。
この辺りに、プラユキさんの教えて下さる瞑想の特徴が御座います。
実は私、毎日坐禅をしていても、全然集中する事に至れず、禅定に入りきれずに、雑念や妄想が出て来ます。
「考えないように、雑念を出さぬように」としても、すでに「考えないように」という事を考えてしまっていたりと、袋小路に入ってばかりでおったものです。
そういう場合、「やはり私は煩悩具足の凡夫で、静かに坐ることも出来ない愚か者だ」と、自分を卑下しておりました。
プラユキさんの瞑想は、そういう雑念が湧いても「オッケー」と気づき、また手の動きに戻る、という気づきの瞑想です。
雑念が湧いたからと言って、「修行が足らん、喝!」と、自分を卑下しないのが特徴です。
「今、ここに、手の動きにただ気づく」という事で、雑念から今ここに戻って来られると共に、自分を責めたり否定する事もない。
この辺りに、うつ病の人や心がふさがってしまっていたり、自分を責めてしまう人にも効果がある瞑想と言われる所以があるのかな、と、実践した後に感じさせて頂いたものでありました。
歩行瞑想では、通常の速度で歩きながら、今、ここで歩いて居る自分に気づく、という瞑想を体験して参りました。
これも手動瞑想と同じ要領で、雑念が湧いてきても「オッケー、オッケー」と、また気づいて戻って来る、ということを繰り返します。
このような実践を、朝の9時から17時まで、みっちりと教わって参りました。

マインドフルネスや瞑想は、やはり一度はきちんと教えられる人から教わった方が良い
今回、プラユキ・ナラテボーさんに、マインドフルネス瞑想実践講座にて、3種類の瞑想を教わって参りました。現在は、きちんと教わったことを取り入れて、朝と夜の勤行の後に、手動瞑想を実践し続けております。
歩行瞑想も、歩いて何処かへ行くときには、気づきながら、マインドフルネスな歩行を、という趣で歩いております。
今回のマインドフルネス瞑想会で学んだ事をしぼって解説するなら、二つ御座います。
まず、瞑想の実践そのものも大いに学びが御座いました。
そしてもう一つは、このお堂(ブログ)でもたびたび申し上げてきた通り、こういったマインドフルネスなり瞑想なりというものは、やはりきちんと指導者の下で指導を受ける事が望ましい、ということです。
私は、手動瞑想自体は、プラユキさんの本と動画を観たときから、実践してはおりました。
ただ、やはり実際に指導をして頂いて居ないと、「これでよいのかなあ。」など、色々な疑問から不安も出て来ます。
独学ですと、そういった疑問から浮ついた感じで、不安と共に実践する事になりますから、瞑想が迷走するという、笑えない状態になりかねません。
実際に私は、動画を観てその通りにやっていたつもりでも、どこか不安を覚えていたものです。
そこで、今回の機会を逃すまいと申込んで、きちんと疑問点も解消して教わってきた、というわけです。
お陰様で、プラユキさんから直接瞑想を指導して頂いた事により、現在は不安無く、きちんと自宅で気づきの瞑想、チャルーンサティ瞑想を実践出来ております。
現在は確かにYouTubeでも独学で学べますが、瞑想に興味がある人は、やはり一度は近くで開かれている瞑想講座で、経験者から指導を受ける方が望ましく思います。
その時は、指導者との相性や、瞑想との相性も大切ですから、その辺りも考えながらすることが大切です。
例えば、「宗教色の薄い、または全く無いマインドフルネス瞑想をやってみたい」という場合もあるかと存じます。
そういう場合も、仏教色や宗教色の無いマインドフルネス瞑想も探せば見つかりますから、探してみられると良いでしょう。
私としては、仏教サイドの知識と智慧も頂きたいから、プラユキさんのような僧侶から教わりたいという欲求があったりするんですがね、それは個々のご事情で調整されると良いかと思われます。
ちなみに、今回のプラユキさんのマインドフルネス瞑想会が終わった後で参加させて頂いた懇親会も、凄く学べる話を頂いたものです。
詩人でエッセイシストの方ともご縁を賜る事が出来た事に、喜びを感じておったり、ね。
今回の話と関連して、マインドフルネスや瞑想については、こちらも読まれると良いかと思われます。
参照:「マインドフルネス瞑想とは何か意味を考える」
参照2:「マインドフルネスと瞑想の本3冊」
参照3:「マインドフルネス瞑想の注意点」
瞑想に興味を持たれた場合、瞑想難民にならぬ一助となりましたら、嬉しく感じます。
合掌