ロゴスとパトスとエトス(エートス)の意味と宗教

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

このお堂(ブログ)では、たびたび「エトス」という言葉を、釈徹宗さんの解釈や意味の解説を拝借して「行為様式」という意味をたびたび用いてお伝えしてきました。
388009 「エトス(エートス)」という言葉と共に知っておきたい言葉と概念に「ロゴス」と「パトス」というのも御座います。

倫理や哲学をよく学んでいる人ならば、アリストテレスの単元や弁証法の単元にて、学んだという記憶があるかもしれません。

最近では、説得するための技術論や要素として、ビジネスの場面でも見聞きしますね。

最も、ビジネスシーンにおいては、相手を自分の都合良く動かそうと言う煩悩による悪用が懸念されるところではありますが。

ロゴスとパトスとエトス(エートス)という言葉と概念について、今回は改めて宗教的な意味や解釈を、仏教を軸にお伝えしていきます。

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ロゴスの意味と宗教的な解釈

ロゴスとパトスとエトス(エートス)についてですが、まずは「ロゴス」から観ていくと致しましょう。



ロゴス(logos)とは、ATOKの辞書機能によると
:1 哲学用語・宇宙を支配する理法
:2 キリスト教における神の言葉・(三位一体の第二位としての)キリスト
です。

宗教的な意味を考える、と言っておきながら、いきなり宗教的な意味が出て来ました。

ATOKの辞書機能、なかなかやってくれます。



弁証法やアリストテレスの項目、また一般論的な意味は「言語、言葉、論理」です。

言語による説得のことを、ロゴスという人もいらっしゃいます。

ATOKの辞書機能では、ロゴスはキリスト教由来の意味が出て来ましたが、宗派やどの宗教にも限らずに意味を用いるならば「教義・理論・概念」です。



例えば、浄土宗の教義は何か、と問われたときに、教義を論理的に言語で解説をしたら、それがロゴスです。

例えば「南無阿弥陀仏とは何か?」という問いに「ナマス・アミターバ、ナマス・アミターユスを漢字にした六時名号」と言葉で答えるのが、ロゴスです。



大雑把に言うと、ロゴスは「教義の言葉」「教義の論理的解説」と言ったところでしょうか。
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パトスの意味と宗教的な解釈

次は、「パトス」について観ていくと致しましょう。



パトス(pathos)とは、これまたATOKの辞書機能によると、
:パトス・ペーソス、(人生・文学・芸術の持つ)哀感、哀調
です。

一般的、国語辞典的な意味や解釈では、パトスは「感情・情念」です。

これは、宗教学における意味においても同じで、理論的に位置づけられない概念です。

パトスはこの他に、「情緒・精神性」という意味や解釈もなされる言葉です。



例えば、何かモヤモヤした感じがするけれども、なかなかそのモヤモヤを論理的に解説したり、言語化したりする事が難しい事って、あなたにも経験はありませんか?

言葉・ロゴスには変換出来ないけれども、でも実際になんだかモヤモヤするのは事実である、というジレンマは、経験している人も多いかと思います。



宗教というのは、教義を言語では理解出来ても、情緒的な理解というのも御座います。

言語化出来ないけれども、何かの宗教的教義や言葉、禅語を見聞きした瞬間に、パッと開けた感じがしたり、何か情緒的な事を感じると言う場合の概念が、パトスに属します。
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エトス(エートス)の意味と宗教的な解釈

最後に、エトス(エートス)の意味と概念についてです。

エトス(エートス)については、何度もこのお堂(ブログ)でお伝えしてきておりますね。

また、釈徹宗さんによる大谷大学での講演「真宗とエトス」という表題では、特に詳しくお伝えしておりますが、改めて学びなおしましょう。



エトスの意味を、ATOKの辞書機能を使って調べたら、
:(ある文化などの本質的な)特性、精神、主潮
:(集団・個人の)気質、特質〔芸術〕エトス・エートス
と出ました。

ATOKに何度もお世話になりっぱなしです。



エトス(エートス)には、精神や主張、気質という「パトス」と共通する解釈が成される言葉のようです。

説得に用いられる概念やビジネスの場面では、エトスは「(話し手の)人柄」とあります。

人柄だったら「personality(パーソナリティ)」という言葉を用いた方がしっくりくるのですがね。



宗教学的な意味や解釈をするならば、これは私がこのお堂(ブログ)で何度もお伝えしております通り、「行為様式」という訳があります。

最も是は、比較宗教学がご専門の浄土真宗本願寺派僧侶、釈徹宗さんの受け売りではありますがね。

でも、色々と改めて調べ直したり学びなおしたところ、今のところこの「行為様式・習慣・習性」という意味が最もしっくりくるので、この意味と解釈に落ち着いております。

それに「エトス(エートス)は行為様式」と意味づけて解釈すると、ロゴスとパトスとの関係性もわかりやすくみえてきます。



その他エトス(エートス)には、
:行動形態、規範、いつもの場所
という意味もあります。



エトス(エートス)にも幾つか意味がありますが、宗教を学ぶ上では「行為様式」という意味や解釈、概念として観るのがわかりやすいであろうと私は感じております。

あくまで私個別の言語的・概念的感覚ではあるのですがね。

「ロゴスは言語、論理」「パトスは情緒、精神性」「エトスは行為様式、習慣、習性」と、私は意味を解釈し、このように頂いております。
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ロゴスとパトスとエトス(エートス)のバランスを考える

ロゴスとパトスとエトス(エートス)は、宗教を考える場合でもそうですが、この3つ全てを学ぶ事が大切であり、バランスを考える事が大切であると、釈徹宗さんは仰います。



エトスだけがあっても、そのエトスが何を意味しているのか、どのような精神作用があるのかを解説する手段は、ロゴスを磨く事で伝わりやすくなります。

逆に、ロゴスだけがあっても、それに伴うパトスがなかったり、エトスがないと習慣や特性となり得ません。

ゆえに、ロゴスとパトスとエトス(エートス)は、バランス良く考えて磨いて行くことが大切である、ということには私も賛同しておるところであります。



そして、この3つをしっかり磨いて行くことが、己の宗教心、また他者の宗教を尊重する事に繋がっていきます。

宗教センスを磨く際には、このロゴス・パトス・エトス(エートス)という概念は、凄く重要であると、私は頂いております。



今回お話し致しましたことは、釈徹宗さんの講演で学んだ事も多々含まれております。

参照:「釈徹宗さんの講演in大谷大学「真宗とエトス」」

表題は「真宗とエトス」でしたが、宗教全般の基礎的な部分として捉えて頂ければ、宗教学や宗教心を学ぶ上で理解が深まっていくと思います。



また、これらのことについて文章化された本でしたら、こちらにダイレクトに「ロゴス・パトス・エトス」の項目がありますから、そちらでより具体的に学べます。

この世を仏教で生きる [ 釈徹宗 ]
価格:1296円(税込、送料無料)



この本では、ロゴスとパトスとエトス(エートス)以外にも、教育についてや医療の課題も、僧侶と弁護士の眼から見出されております。



最近は、仏教の用語や宗教用語も使わずに、わかりやすく解説なり対談がなされている本が多く、私も有り難く学ばせて頂いておる次第であります。



ロゴスとパトスとエトス(エートス)という概念から物事を見ると、色々とみえてくる事も御座います。

これから比較宗教学なり、色々な宗教を学ぼうと思うていらっしゃる人は、念頭に置いて頂くと助力となるであろうと、私は感じております。



合掌

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