有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
あなたは、7月7日の七夕に、七夕祭りへ行ったりと、七夕を風流に楽しむ風習をお持ちでしょうか?
京都では、少し早めの七夕祭りが催される事もあり、京都市中京区の三条商店街では、毎年7月第1土曜日に「三条商店街七夕祭り」が開催されます。
スイカを100円で食べる事が出来たりと、私もちょくちょく顔を出すようになったものです。
京都では、7月7日の七夕に合わせた七夕祭り、7月の七夕祭りもあるのですが、旧暦の七夕祭りも開催しております。
今回お伝えさせて頂くのは、旧暦の七夕を味わえる催し「京の七夕」についてです。
京の七夕は旧暦の七夕「伝統的七夕(旧七夕)」を味わえる
旧暦の七夕は、現在は「伝統的七夕(旧七夕)」という呼び名が付いており、天文学や科学技術の発展によって、旧暦の七夕について正確な日付も確認出来るようになりました。2016年の伝統的七夕(旧七夕)の日程は、
:2016年8月9日(火)
です。
京都では、上手い具合にその辺りの日程で、
:京の七夕
という旧暦の七夕を味わう事が出来る催しが御座います。
しかも有り難い事に、交通の便が良い場所ばかりという、なかなかいかした七夕祭りだったりします。
京の七夕のメイン的な会場は堀川会場と鴨川会場

恋人・ラヴァーズが行かれるならば、先に鴨川会場に行かれてみては如何でしょうか。
鴨川会場は、2016年は8月6日(土)から8月12日(金)の日程で行われ、点灯時間は19時から21時30分です。
鴨川と言えば、納涼床が設置されて涼しさを感じながら飲食を楽しむ事が出来る「鴨川納涼」が有名ですが、他にも恋人である男女にまつわる「等間隔」も有名ですね。
そこで、鴨川の風物詩と言われる「等間隔で座る男女」に混じって、風物詩になってみるのも宵の良い思い出になるかと思います。
そして、京の七夕鴨川会場の醍醐味と言えば、風流を味わえる「風鈴灯」です。
竹カゴの中にLEDライトが入った風鈴灯が鴨川右岸・三条大橋から御池大橋の間のに設置されていて、何とも風流な味わいのある場所であります。
その他にも、1枚100円かかりますが、願い事の短冊も飾ることが出来る催しに参加することが出来ます。
短冊へのお願い事については作法なり在り方について、仏教の智慧をもとに以前このお堂(ブログ)でもお伝えしております。
参照:「七夕で願い事を短冊に書く作法」
また、竹アートも展示されており、禅語によく出てくる竹を間近で感じる事が出来るのも、京の七夕鴨川会場の特徴であります。
竹の節を眺めて風流を味わいつつ
「松無古今色、竹有上下節(松に古今の色無し、竹に上下の節あり)」
と思うて、己の節を見定めたり内観するきっかけにするのもまたよし。
なお、鴨川会場では浴衣や和装で訪れると、ちょいと良いことも御座います。
折角京の七夕で伝統的七夕(旧歴の七夕)を味わうならば、浴衣などで和装して楽しむのがよろしいかと存じます。
京の七夕「堀川遊歩道(堀川会場)」と二条城
京の七夕で、東側メイン会場が鴨川会場ならば、西側のメイン会場は「堀川遊歩道(堀川会場)」という印象を持っております。堀川会場も2016年の日程は
:8月6日(土)から12日(金)
:点灯時間:19時から21時30分
です。
尚、堀川会場・堀川遊歩道は、北側へ向かっての一方通行ですから、間違って逆走しないようにご注意下さい。
堀川会場では「出逢い」や「再会」をテーマにしており、織姫と彦星の出逢いにちなんでいますね。
織姫と彦星の七夕伝説を、仏教的な視点で観た話を思い出しながら歩かれると、風流・・・になりますかね。
参照:「織姫と彦星の七夕伝説おもしろ小話」
思わず爆笑してしまわれたら、申し訳ありません。
また、堀川会場に設置される「堀川七夕茶屋」では、舞妓さんの舞を観賞させて頂く事も出来ます。
堀川会場を満喫、または堀川会場に行く前に、是非とも立ち寄りたいのが「二条城」です。
京の七夕期間中は二条城内の一部で「夜の特別拝観(拝観料が必要)」が催されております。
二条城のこのような催しに私も観覧させて頂いた事がありますが、なかなか見事でした。
琳派の作品も展示されていて、庭園のライトアップや琴の演奏も楽しむ事が出来ます。
和の雅を味わいたいならば、京の七夕において堀川会場と二条城へ立ち寄られると良いでしょう。

京の七夕で晴れて月が出ていたら・・・
京の七夕を楽しんでいらっしゃる時、ふと空を見上げて、晴れていたらこのような味わい方もありますよ、という事をお伝え致します。8月も中盤にさしかかろうという日程で、大体8月7日前後の月は「上弦の月・弓張月(ゆみはりづき)」といって、左半分が欠けた半月になっています。
織姫と彦星の七夕伝説に照らし合わせると、この半月が「牽牛星が天の川を渡るための小舟」に見立てられたという話が御座います。
ふと空を見上げて月が出ているならば、このような事に思いをはせるのも、風流で乙なものかと存じます。
ちなみに、仏教には月にまつわる話や、月の禅語などがあります。
月と仏教について、有名な話といえば「指月の譬(しげつのたとえ)」が御座います。
私も、何度かお坊さんからこのお話しを説法して頂いて覚えたものです。
そういえば、仏教関連の小説と漫画「月をさすゆび」というのもありますが、作品名の由来がこれでわかります。
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旧歴の七夕「京の七夕」で仏教由来の風習を感じるきっかけに
七夕は、旧暦で味わうのが風流であると言う話を、このお堂(ブログ)でさせて頂いたことが御座います。参照:「七夕の由来と様々な風習の意味と仏教」
参照2:「七夕の情報まとめ」
以前お伝え致しましたように、旧歴の七夕「伝統的七夕(旧七夕)」は、仏教との繋がりが御座います。
旧歴の七夕は大体8月中頃に行われる行事であり、8月の中頃にある仏事といえば「盂蘭盆会」があることは、あなたもご存じの事と思います。
沖縄県では現在も七夕を盂蘭盆会の一環として行い、この日にお墓の掃除や祖霊・ご先祖様をお迎えする風習があるそうです。
お墓の掃除をさせて頂くのは、盂蘭盆会が近づいているということをご先祖様に報告申し上げるという意味があります。
七夕と盂蘭盆会の関係に、私は祖霊・ご先祖様を敬う先人達の智慧を感じます。
尚、お盆についての話は、こちらにまとめておきました。
参照:「お盆の情報まとめ」
京の七夕も、時期としては盂蘭盆会が近づいている頃合いに行われる行事であり、仏教徒の私としては、仏事という見方もしております。
京の七夕で旧歴の七夕に祖霊をお迎えする準備をさせて頂き、盂蘭盆会にきちんとお迎えし、五山送り火(大文字さん)でお送りさせて頂く。
夏の京都は、涼しさを感じる智慧と工夫による風流がありながらも、祖霊を大切にして敬うという智慧も凝縮されている、そのように感じ入っております。
合掌