有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
前回は、高揚感という言葉の使い方と例文について、仏教の智慧と共にお伝え致しました。
高揚感を感じるときと言うのは、自己啓発セミナーなどの特殊であったり非日常的な場面に遭遇すると、興奮状態に陥り「高揚感を覚える」という状態になりやすいものです。
例えば「旅行」という非日常時空間において、旅行先で気分が高揚して買い物しまくったという経験を、あなたもお持ちではないでしょうか。
旅行先での買い物は、確かに気分が高揚している状態での買い物ですから、衝動買いも増えるだろうとは思います。
私はそれに加え、普段の買い物でもこちら側の高揚感を煽る仕掛けが沢山あるがゆえに、日常生活も高揚感を覚える様々な仕掛けにさらされていると感じております。
ミニマリストに見習う保たない暮らしと買わない生活習慣
物を買わない生活という事については、このお堂(ブログ)でもコツを幾つかお伝えしております。むやみに物を買わない生活習慣を心がけると、家の中が物で溢れて雑多になりませんから、様々なメリットがあります。
掃除は楽になりますし、捨てる手間やお金もかかりませんし、お金の無駄遣いも無くなりますから貯金も出来ると、良い事が沢山ありますね。
このようなメリットがあるために「ミニマリスト」と呼ばれる、持たない暮らしや買わない生活習慣を心がけるミニマリズムの実践者が増えているのも頷けます。
ミニマリストの中で、むやみに物を買わない生活習慣を身につけている人は
:「本当に必要な物の選別が出来て、買い物に対する自制心が鍛錬されている人」
だと私は思うております。
高揚感は買わない生活の実践で妨げになる
ミニマリストは、自制心が鍛錬されていると申し上げましたが、何に対して自制心があるかというと「欲しいという衝動」に対してです。いわゆる「衝動買い」をしないように、訓練されていると言う事ですね。
買い物の時に発生するこの「衝動」ですが、ここで重要になってくるのが、前回もお伝え致しました「高揚感」です。
どこかの店に行って「これ、欲しい!」と思ったり衝動が走った時って、えてして気分が高揚している状態に陥っているものです。
そして、物を購入して「買っちゃった!」という時は、興奮気味で高揚感も最高潮になっている状態です。
特に、もの凄く葛藤の末に、お目当ての物を購入した瞬間の高揚感といったら、凄まじいものがあるのではないかと思われます。
通信販売などでも、物品を目撃してから購入手続きを完了するまで、高揚感を覚えるという状態を体験したという方もいらっしゃるでしょう。
最近の通信販売サイトは、その仕掛けを凄く上手くやっていますね。
サイト内で商品を閲覧したら「あなたのお薦めの商品」という項目をずらりと並べたり、興奮する言葉を散りばめて高揚感を高めたりとか。
そして、「あ、これもいいな、あれもいいな!」と、次々とカートに入れて・・・となると、とてもじゃありませんが買わない生活どころの話ではありません。
いちいち高揚感を煽られて、それに乗せられていてはきりがありませんね。
このことから、買わない生活習慣を身につけて持たない暮らしを実践するためには、
:高揚感について学ぶ
:自分がいついかなるときに高揚感を覚えるのかを知る
ということは、必須事項と言えます。
買わない生活習慣を身につけるコツその1:高揚感を自覚する
ここまで話せば、買わない生活習慣を身につけるコツは、自ずと見えてきます。買わない生活を実践するコツその1は
:自分が高揚感を覚える状態を自覚する
です。
確かに、怒りに我を忘れているときは、メチャクチャ興奮している状態の時って、今の自分の状態を自覚することは難しいでしょう。
でも、仏教の智慧には、それを可能にしてくれるヒントやコツがあるのです。
仏教や仏道修行では「自己の自覚・自己の状態の自覚」を教えています。
その方法論として、瞑想などの修行法があります。
この「自己の自覚」、ここでは「自分が高揚感を覚える状態について自覚する」という仏教の智慧をお借りして、今回の事例に活かして訓練する事が大切です。
自分が買い物の際に、いついかなる時に高揚感を覚えるかを知るために瞑想法を活用するならば、買い物の時に逐一「実況中継」をすると、己を客観視・観察出来ます。
例えば、店に入ろうとするときから「店を観ています、近づいています、近づいています、入ります」と、実況中継します。
そして、何か自分好みの物品に目がとまったとき、ぴくっと興奮なり高揚感を覚える時があります。
そこで「興奮しています、興奮しています」もしくは「高揚感、高揚感、高揚感・・・。」と、あくまでも客観的に自己実況中継を続けます。
このようにする事で、自分が買い物の時に高揚感を覚える場面は、いついかなるときか、という事に気づく事ができます。
自己を客観視する事は仏道修行でもありますから、高揚感による物欲の刺激を断ちきるという仏道修行の実践者のつもりでやってみては如何でしょうか。
結果として、買わない生活や持たない暮らしの実践が出来るようになりますよ。

買わない生活習慣を身につけるコツその2:高揚感の分析
買わない生活を実践するコツその2は:高揚感を覚える場面を分析する
です。
自分が買い物中に高揚感を覚える場面に気づく事が出来たら、次はその状況の分析です。
自分の高揚感に気づく事が出来ただけでも、もの凄い進化であり深化ですし、無駄遣いをやめたり買わない生活を身につけることの実践が為されていると言っても良いでしょう。
買わない生活習慣で持たない暮らしを実践するならば、そこから更に分析作業もします。
この分析作業も、仏教の自己観察や「己を知る」という修行の実践になりますよ。
例えば、街で見かけたカバンが目に入ったとします。
その時に高揚感を覚えて、欲しいという欲望が出て来たことを、まず自覚します。
そして、店で目に入ったカバンの前に行くと、「今なら50%OFF!現品限り!お早めに!」というポップがでかでかと飾ってあります。
また、店員さんが頼みもしないのに「それ、いいですよ、オリジナリティがありあなたらしさを出してくれるカバンなのですよ。」と、すり寄って、色々な言葉を投げかけてきます。
このような場面で、まず「自分は何故、そのカバンに高揚感を覚えたのか?」と、高揚感を覚えるきっかけとなった出来事を観察し解析します。
そして、自分はどの言葉で、どのような状況で更に高揚感を覚えて「欲しい!」という欲望を増幅させたのかも、解析するのです。
「現品限り、という言葉に興奮したのか?」「オリジナリティという言葉に反応して高揚したのか?」と、こんな感じです。
このように解析を進めていけば、自分が高揚感を覚える言葉やフレーズ、場面や現象について、客観的に知る事が出来ます。
このように客観視出来ると、自分の高揚感の出所を把握して、衝動や高揚感の増幅を制御出来るようになり、それが自制心の育成にも繋がり、自然と無駄遣いもなくなっていきます。

高揚感の自覚は買わない生活習慣と持たない暮らしの実践の土台
自分の高揚感について自覚することは、興奮している状態を客観視するわけですから、なかなか難しいかもしれません。そもそもとして、外部からの刺激によって興奮せず高揚感を覚えないようにすることが、仏教の教えでもありますし、そうなる事が望ましいのですがね。
本当は、さくっとそのような状態になれると良いのですが、仏教に触れていなかったり、仏道修行を実践していなければなかなか難しいものです。
私だって、刺激物に触れたら、興奮状態に陥る事はありますからね、ある程度自覚的にはなれるようになってきていても、まだまだ精進が足りません、修行が、足りない。
ただ、いきなり刺激への耐性や自制心なり制御出来る技を手に入れなくても、自分の心の動きを自覚できるだけでも随分と変わるものです。
「あ、今高揚感が出て来た、危うく考えなしに衝動買いしてしまいそうになった。」と、気づいたり自覚出来るようになるだけでも、随分と買い物上手に近づくと思いませんか?
己の欲望が発信源である衝動にも打ち克つ土台にもなりますからね。
高揚感を自覚するという事は、すなわち
:買わない生活習慣を育成し持たない暮らしを実践する力となる
:衝動や興奮状態に陥って我を失わなくなる
という、刺激に惑わされない自分を築く事が出来るのです。
身につけておけば、無駄遣いせずに貯金する事にも繋がりますから、今から訓練してみては如何でしょうか。
無駄遣いしない、買わない生活習慣を身につける助けとなる話を、こちらにもまとめて御座います。
参照:「高揚感の意味と使い方の例文」
参照2:「物を買わない生活習慣のコツとメリット」
参照3:「シンプルライフなミニマリスト情報まとめ」
こちらも上手く活用して頂き、高揚感と上手に付き合い、買わない生活のコツをつかみ、買い物上手になられましたら、幸いに存じます。
合掌