灌仏会(花祭り)はお釈迦様のお誕生日

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

4月8日と言えば、仏教徒ならば灌仏会(かんぶつえ)という人も多いでしょう。
017601 灌仏会とは、お釈迦様のお誕生日をお祝いさせて頂く、仏教徒にとって大切な日です。



灌仏会(花祭り)の時期になりますと、お釈迦様を本仏とされている宗派の寺院に、上のイラストのような釈迦誕生像を設置されております。

有名な「天上天下唯我独尊」を表した像で、有名なお釈迦様の誕生日の話を表している像です。

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「花祭り」は、灌仏会の通称と言いますか別称であり、花祭りと言われれば分かるという人もいらっしゃるかもしれませんね。

私が通っておりました母校、龍谷大学でも、を4月8日の灌仏会(花祭り)では甘茶を振る舞ったりパレードサービスをしたりしています。

灌仏会の別称に「降誕会(ごうたんえ)」がありますが、龍谷大学では親鸞聖人の降誕会を毎年5月21日に行われますから「花祭り(灌仏会)はお釈迦様の降誕会」という覚え方をしている人もいらっしゃる可能性がありますね。

各寺院で灌仏会(花祭り)に「天上天下唯我独尊」の釈迦誕生像に甘茶を振る舞わせて頂く

灌仏会(花祭り)では、龍谷大学などの学校や大きめの寺院では、法要に一般参加出来るところもありますし、法要の後に甘茶を振る舞って頂くこともあります。



こちらの動画は、浄土宗のお寺、新善光寺で行われた灌仏会法要の様子です。

京都の浄土宗寺院でしたら、総本山知恩院がありますね。

知恩院の法然上人御堂に行くと、花御堂(はなみどう)が設けられておりまして、甘茶を注がせて頂けるようになっていますよ。



ただ、知恩院って階段が凄く大きく段数もあり、法然上人御堂に行くまでがちょっと大変からご注意下さい。



浄土宗以外でしたら、私の知っている限りでは、西本願寺(龍谷山本願寺)東本願寺(真宗本廟)でも、釈迦誕生像が設置されるようになります。

特に今年は東本願寺では、阿弥陀堂の修復も終了し、「御本尊還座式」が2016年3月31日に行われて、修復された阿弥陀堂にて春の法要や参拝が出来るようになっています。

東本願寺は京都駅から徒歩5分以内の場所で立地も良いし、灌仏会と阿弥陀堂の参拝をされることを提案致します。



更に、東本願寺には、「真宗教化センターしんらん交流館」という建物が、東本願寺(真宗本廟)の北側に御座います。(道路を挟んで)

そこで、御法話が頻繁に行われており、東本願寺文庫で本を読むことも出来ます。

灌仏会(花祭り)で訪れた際、休憩がてら立ち寄られるのも良いかと思われます。

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灌仏会(花祭り)で甘茶が使われる風習の由来

灌仏会では、お釈迦様が誕生されて直ぐに立って7歩あゆまれて「天上天下唯我独尊」とおっしゃったという伝説があります。

まあ、流石にこれは伝説だと私も思いますが、他にもお釈迦様の誕生日には伝説がありまして、それが甘茶に繋がります。



ここで、灌仏会(花祭り)に関係が深い、天上天下唯我独尊についての豆知識をば。



この「天上天下唯我独尊」という言葉を発する際に、7歩歩いた、というこの歩数も重要な意味が御座います。

仏教には、「六道輪廻」という考え方が御座いまして、人間は6つの道・世界を経巡っているという概念が御座います。

六道というのは「天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道」の事です。

7歩歩くと言う事は、この六道を超える、つまり解脱すると言う事を暗示している、という話を、お坊さんから伺った事が御座います。



京都には「六道」の名前があるお寺も御座いますから、そちらにも灌仏会(花祭り)の際に訪れると、味わい深い時となるやもしれません。

参照:「六道珍皇寺の井戸と地獄の話」



仏教では「龍・竜」は仏法護法の象徴とされていて、禅宗のお寺では龍の天上絵が描かれている建物も多く存在します。

妙心寺や天龍寺等、臨済宗の寺院で見られますよ。

仏教における大切な竜が、お釈迦様誕生の際に産湯として清浄の水を天から注いだ、という伝説があり、それにちなんで甘茶を釈迦誕生像にかけさせて頂くという風習に繋がっております。

注意点として、「天上天下唯我独尊」を表す釈迦誕生像に掛けるために用意された甘茶は、飲んではいけません。

飲用の甘茶とお釈迦様の像に用いる甘茶は別ですからね。

飲む甘茶は振る舞って頂ける飲用の甘茶を飲みましょう。

寺院によって、また龍谷大学では飲用の甘茶サービスもしてくれているそうですから、甘茶を飲みたい人はそういった花まつり(灌仏会)の会場へ行かれると良いでしょう。
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灌仏会(花祭り)で仏教のエトス(行為様式)に触れる意味

灌仏会(花祭り)は、仏教において大切な行事ですが、あまり仏教に馴染みがないと、「なんだそれ?」出終わってしまうやもしれません。

私の場合は、龍谷大学に入学できたという学生時代のご縁のお陰様で、親鸞聖人の降誕会や、お釈迦様の誕生日をお祝いさせて頂く灌仏会(花祭り)ともご縁が御座いました。



私は、この灌仏会(花祭り)をはじめとした、仏教行事・仏事は、日本で継承されてきた仏教のエトス(行為様式)を味わえる、貴重な行事であると頂いております。



日本は仏教国と言われており、「実はこれも仏教由来だったのか」という事柄や言葉が沢山あります。

しかし、あまりにも生活に根付いていたり、「当たり前」になったという事もあり、仏教色を感じないこともしばしば御座います。



例えば、後でも少し触れますが、年末には除夜の鐘を聞き、年始はお正月としてお祝いと感謝申し上げられるでしょう。

このお正月も、仏教では「修正会(しゅしょうえ)」と言う仏事であったり致します。



このように、日本には生活の中に根付いたエトス(行為様式)があり、仏教色を感じなくなったものも幾つも御座います。

灌仏会(花祭り)という行事は、お釈迦様のお誕生日を祝う仏事であり、それに伴うエトス(行為様式)も継承されており、仏教の雰囲気を味わう事が出来ます。

仏教のエトス(行為様式)を、灌仏会(花祭り)で味わうと言う事は、日本に仏教が伝わり、それが連綿と受け継がれている事を肌で感じる事が出来る、私はそのような味わいを頂いております。

折角、こうして参加しやすい仏事があるのですから、ご自宅の宗教が仏教であるならば、エトス(行為様式)によって、仏教のパトス(精神性)を感じられては如何でしょう、とご提案申し上げます。
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灌仏会(花祭り)が、あなたのご先祖様や宗派を知るきっかけになるかも

日本の宗教行事というのは、どういうわけかイベント化している傾向があり、その典型がクリスマスやバレンタインです。

まあ、バレンタインデーは、聖ウァレンティヌスに由来する日であるけれど、日本の風習は宗教行事とは違うとも思いますが。



日本の年末といいますと、クリスマスには初詣に行きますし、大晦日には除夜の鐘をついてからそのまま元旦に初詣と、おきまりのパターンと言う人も多いのではないかと推察致します。

かくいう私も、クリスマスにはお世話になった先生が教会で仕事をされていて、挨拶のためにクリスマスイブ礼拝に顔を出していた時期もありました。

「仏教徒がなんで教会でクリスマスイブ礼拝で賛美歌歌っているのだ」と、突っ込まれるでしょうけれども。



ただ、正確な人数は分かりませんが、日本の仏教徒人口はおよそ9000万人というデータがあります。

多くの場合は、「うちは何宗?」と、先祖を辿ってみたら、何かしらの仏教宗派に行き着く可能性が高いと言えます。

お釈迦様(ゴーダマ・ブッダ)を本仏としない宗派もありますけれども、これをきっかけに家の宗教を辿り、ご先祖様を辿って思いをはせるというのは、あなたのルーツを知る良い機会です。



お釈迦様を本仏としている宗派であるならば、一度は灌仏会(花祭り)の日、4月8日には釈迦様のお誕生日をお祝い申し上げるという事があっても良いのではないか、そのように感じる今日この頃です。



合掌

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