有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
11月になりますと、「十夜法要(じゅうやほうよう)」という行事・仏事が御座います。
十夜法要は、正式には「十日十夜法要」と言いまして、十日十夜に渡り行われる法会(ほうえ)であります。
この期間は、全国各地に御座います浄土宗寺院にて、別事念仏会が行われ、広くお念仏や仏法に触れて頂ける機会です。
私も、2015年には、十夜法要に関連した「十夜フェス」に参加させて頂きまして、各宗派のお坊さんによる御法話や、お坊さん達とのゆるくまったりとした座談会に参加させて頂きました。
十夜フェス2016も開催されるということで、十夜フェス2016のお知らせと共に、十夜法要についてお伝え致します。
十夜フェス2016の日程や開催寺院のお知らせ
十夜法要の期間中に、京都でも浄土宗寺院では、十夜法要にちなんだ催しが御座います。恐らくは、別事念仏会を設けて下さっていることでありましょう。
より広く、そして仏教に、お寺に馴染みが無い人にも親しみやすく開かれた催しとして、
:十夜フェス
が2015年から開催されており、今年は第2回目です。
2016年も開催されることが決定しており、学生が中心となって活動されていて、専用ウェブサイトやFacebook、Twitterも稼働しております。
ウェブでの広報などをつつがなくされているご様子から、流石は若手の力、現代の技術を使いこなす様相を感じさせて頂けます。
主宰されているのは、龍岸寺のご住職で、京都新聞にも毎月第1火曜日に連載を持たれている浄土宗僧侶の池口龍法さんと、学生達です。
池口龍法さんは、このような本も出されています。
お寺巡りをされる際に、参考になる本ではないかとの味わいを頂いております。
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(2016年10月6日時点での十夜フェス2016情報)
開催される場所は、順番に
:龍岸寺→大善院→宝蔵寺→正西寺→三寳寺
です。
十夜フェス2015では、確か三寳寺が最初でしたが、今年は龍岸寺が最初です。
十夜フェス2015に参加されていた方は、十夜フェス2016では間違えないようにご注意をば。
十夜フェス2016の開催期間は、
:龍岸寺:11月5日(土)から11月7日(月)
:大善院:11月8日(火)と11月9日(水)
:宝蔵寺:11月10日(木)と11月11日(金)
:正西寺:11月12日(土)と11月13日(日)
:三寳寺:11月13日(日)と11月14日(月)
です。
平日も開催されていて、なかなか参加が難しいと言う方もいらっしゃるかと思われます。
私は、龍岸寺には、少なくとも後ほどお伝え致します「お坊さんとゆるーく話す会」には、参加したいと考えております。
十夜フェス2016への参加するにはチケットが必要でして、価格は、
:チケット価格:前売り1000円・当日1200円
:チケットは1枚につき1会場で1日のみ使用可能
です。
前売りチケットは、十夜フェスのウェブサイト経由で購入する事が出来ます。
これも仏道に触れると言う事で、チケット代金を渋るのでは無く、布施行を修行させて頂いている、とするのも一興かな、と勝手に考えておったりいたします。

十夜フェス2016で楽しみな「京都でアラサー僧侶とゆるーく話す会」
十夜フェス2015で、楽しい一時を過ごさせて頂いた催しが、十夜フェス2016でも開催されるとあって、大変嬉しく思うておることが御座います。楽しさや嬉しさも、これまた刺激であると小池龍之介さんの本や御言葉から教わってはおるものの「わかっちゃいるけどやめられない」の如く、内側から湧いてくるものであります。
京都の十夜法要、十夜フェス2016で私が楽しみだなと感じているのが、
:アラサー僧侶とゆるーく話す会
です。
主宰されるのは、「フリースタイルな僧侶たち」という、仏教・お坊さんのフリーマガジンも出されている団体で、恐らく今年も代表の浄土真宗本願寺派僧侶であられる若林唯人さんも、参加して頂けるかな、と、期待していたりします。
代表さんは、静かに話を聞いて下さる落ち着いた雰囲気と佇まいで、凄く物腰が柔らかな印象を持っております。
若い僧侶との話せるという貴重な体験、そして、そもそもあまりお寺や仏教に馴染みが無い人にも入りやすい入り口では無いかと思います。
開催日時は、十夜フェス2016の初日、平成28年11月5日(土)の15:00から17:30まで、龍岸寺で行われる予定です。
場所は、京都水族館の直ぐ近くですから、午前中に水族館を満喫してから、というのもよいかもしれません。
参加するには、上でお伝え致しました、WEB上からのチケット購入・申込をする必要が御座います。
尚、予定変更などの有無も、ウェブサイトから確認をするようにして頂ければと存じます。
人数に限りがありますから、御縁を結べるかどうかは断言致しかねますが、仏教と御縁を結べる良い機会の一つであると、紹介させて頂きます。
そもそも十夜法要とは
11月に行われる浄土宗の念仏会・法会である「十夜法要」でありますが、初めて聞いたという人もいらっしゃるやもしれません。そもそも十夜法要、「十日十夜法要」とは、どのような仏事であるのか。
この十夜法要は、浄土三部経の一つ「無量寿経(むりょうじゅきょう)」にかかれておrます次の事柄に由来します。
「この世において十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」
この教えを実践したのが、陰暦の10月5日の夜から15日の朝まで行われる十夜法要なのです。
十日十夜に渡り、不断念仏を別事念仏として行うのが趣旨ではありましたが、現在は10日間といっても、1時間ほどの別事念仏を小分けにしたり、5日や3日に短縮したりと、形を変えてはいるようです
もしも、どこかのお寺を通り過ぎる時、この時期に「ナムアミダブナムアミダブ南無阿弥陀仏」と聞こえてきたら、浄土宗のお寺でありましょう。
十夜法要の始まりの歴史
浄土宗での十夜法要の始まりは、浄土宗大本山の光明寺にあると言われております。鎌倉光明寺と言えば、神奈川県や関東にお住まいの方ならば、「ああ、あのお寺か」と、思い出される人もいらっしゃいましょう。
1945年頃、後土御門天皇に招かれた観誉祐崇上人というお坊さんが、阿弥陀経の御法話をされた後に、 念仏を他の僧侶と共にされたそうです。
この、後土御門天皇の勅命を受けて始まった法要が、浄土宗での十夜法要の始まりとされている、と、「うちのお寺は浄土宗」という本に書かれております。
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十夜法要の時期、鎌倉の光明寺では10月12日の夜から15日の早朝と、十夜フェスの時期から半月超時期が早いのですが、この時期には関東の団信徒さんが大勢集まるそうです。
旧版の「うちのお寺は浄土宗」には、この時期には露店も沢山並ぶと書いてありました。

十夜法要や十夜フェスを、仏教に触れる機会とする
現在は、十夜法要は堅苦しい仏事ではなく、十夜フェスが御座いますように、入りやすい入り口も用意して下さっています。お寺にはなかなか馴染みが無くて、お坊さんと話す機会も少ない、あるいは全く無いというのが、現代社会の風潮ではないかと存じます。
私の祖父母、また両親の世代の方でしたら、お寺の境内で遊んでいたという人もいらっしゃいます。
私の母親も、善光寺でよく遊んだものだと教えてくれて、お寺もお坊さんも身近な存在だったのかなあ、と感じるところに御座います。
確かに、お寺に来たりお坊さんと出会ったからといって、日常生活が即刻改善したりというような、奇跡体験はないことの方が、はるかに多い事でありましょう。
もちろん、絶対にそんな事は無いとは言い切れませんが、ほぼ無いに等しいのでは無いかと思います。
ただ、奇跡は起きなくても、社会常識や日常の観点に囚われている固まった視点を、解きほぐしてくれたり、あるいは問いを頂ける機縁となるやもしれません。
また、お寺が持つ独特の雰囲気や場の力というのも、私は身をもって経験している事であります。
参照:「増上寺の24時間不断念仏会2016の感想体験記|後編・仏教を体験し身近に感じる」
お寺に来たら何となく癒される、なんとなくほっこりする、と言う事を忘れがちな現代社会で、十夜法要ないし十夜フェス2016を機会として、仏教と御縁を結ぶのもありかな、と思う今日この頃に御座います。
合掌