有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
現代社会は、何かとイライラする原因に溢れているように見えます。
職場や会社、仕事で発生する人間関係なり、勉強が捗らなくてイライラするなど、人によってイライラの原因は十人十色でしょう。
特に現在の日本社会は、効率化や時短の概念が重要視されている風潮も感じ、長い事時間がかかるとイライラすると言う人も多いのでは無いでしょうか。
ちょっとした待ち時間さえも、すぐにイライラしてしまったり、そんな人を私も目撃することがしばしばあります。
そのような事もあり需要があるためか、現在はイライラを抑える方法の専門書も色々とあり、イライラ解消アプリなんてのもあるようです。
私はスマートフォンやiPhoneの類いを持っておらんので、イライラ解消法のアプリというのを知りませんけれども。
また、イライラを抑える方法として、食べ物に気を遣ったり、薬やサプリメントの類いも開発されています。
病的なイライラは、確かにイライラを抑える方法として薬を処方する場合もありますし、行動認知療法の必要な場合もあります。
でも、そこまで病的では無く、かといって収まらないイライラを何とか解消したいという場面というのは、多々あるように思えます。
現代社会でイライラを抑える方法を完璧に実践するのは大変
巷では、イライラ解消法やイライラを抑える方法をまとめた本やウェブサイト、ブログが盛り沢山です。でも、現代社会では、そもそも「イライラする」という反応をしてしまう縁が多いものです。
仕事や職場、家族の間でもイライラする原因となる現象は多々あるでしょう。
イライラする→ストレスがたまる→それにより物事が上手く行かない→それでまたイライラする
こんな悪循環に嵌まるときってあるものですし、私も経験しております。
このような、刺激にまみれている現代社会は「ストレス社会」なんて言われ方をする程で、イライラを抑える方法を完璧にこなすことは、どだい無理な話かも知れません。
そこで、イライラしない方法を実践するよりも、まずは
:イライラする原因
を突き止め、イライラする根本や人間の性について学び、そこから各々が出来るイライラ解消法なりイライラしない方法を突き詰めていく方が良いかと思います。
仏教の智慧から観るイライラする原因を知り、イライラを抑える方法の智慧とする
イライラする原因は、細かく観ていけば実に様々です。「仕事が上手く行かない。」「職場や会社の部下や上司がもたもたしている。」「勉強が捗らない。」等々。
ご家庭でしたら「旦那が家事を手伝ってくれない。」「彼氏が云々。」というのが典型的でしょうか。
(あまりにも一般的過ぎるテンプレート的な例かもしれませんが。)
個々によりイライラの原因は様々ですから、一つ一つ観ていってはらちがあきません。
ここは一つ、仏教の智慧を拝借して、仏教から観るイライラの原因を探ってみましょう。
仏教では「一切皆苦(いっさいかいく)」という根本的な教えがあり、
:一切は苦である
と説いています。
「一切が苦」ですから、世の中はイライラの原因だらけです。
更に「四諦」という教えもありますが、あまり突き詰めすぎると話が進みません。
ここでは現代でも活用出来る「イライラの原因」に話を絞りますね。
イライラの原因を抽象度を上げて大きく観ると
:自分都合にならない、自分の思い通りにならない
です。
要するに「自分の都合通りにならない」からイライラするのです。
「自分の都合通りに子供が言う事を聞かない。」「思い通りに仕事が順序よくいかない。」「自分の都合良く部下が動いてくれない。」などなど。
レジの待ち時間や、待ちぼうけでイライラするのも、「自分都合の時間が削られてイライラする!」という感じです。
ちなみに、待ち時間でのイライラや、時間的なイライラを愚痴ろうものなら
:汝は十二時に使われ、老僧は十二時を使い得たり
と、越州和尚にいさめられるでしょうかね。
そして、イライラする原因について更に言うなれば、
:自分の都合に執着している
と、まとめられます。
イライラを抑える方法その1:自分都合に執着している事に気づく
イライラする原因は、自分都合によるもので、自分の思い通りにならないからである、と言う事です。考えてみれば、自分の思う通りに事が運べば、調子に乗って喜ばしい(という錯覚中)ですから、そりゃイライラしている暇はありません。
ゆえに、イライラする原因が「自分都合に物事が運ばない」というのは、イライラする原因と言いますか、原理と言い換えてもよいでしょう。
そして、原因が分かれば、イライラするという反応をした後でも、それ以上イライラしない方法も見えてきます。
イライラを抑える方法の一つ目は
:自分都合に執着してイライラしている事に気づく
ということです。
これは、瞑想や禅の智慧、知恵によって「自分を客観視する、己を観察する」という話を以前に致しましたね、それをここで実践するのです。
イライラっとした場合、感情的になっていてなかなか難しいかもしれませんが、これは修行して頂くしかありませんが。
イライラがふつふつと沸いてきた場合、「あ、今自分はイライラしている。」と、自分に起こっている反応を察知します。
その上で、「今、自分は自分都合に執着していなかったか?」と、己をよく観察して問いかけます。
そうすることで、個々の目の前で起こっているイライラの原因そのものから意識が多少なりともそれますし、己への問いかけによって冷静さも取り戻せるきっかけになります。
イライラを抑える方法その2:「調身・調息・調心」
自分都合に執着している事に気づき、イライラの反応を冷静に察知することが出来たら、次の段階です。イライラしていたり怒っている時は、心だけでは無くて、身体や呼吸にも影響があります。
仏教・禅の智慧には、心を調える前に「身体と呼吸を調える」という段階があります。
「むきー!」と、呼吸を精一杯乱して壁を殴ったりする反応は、もしかしたら、ある意味「調身・調息・調心」の反応なのかもしれません。
ただ、それだと社会的に問題がありますし、身体も痛いし踏んだり蹴ったりです。
そこで、
:禅的「調身・調息・調心」
を実践します。
イライラしていたり怒っている時は、身体がこわばっていたり、呼吸が浅くなって乱れているという身体的な反応があります。
怒っている人の呼吸が浅くて「息巻いている」という状態を見たことがある人なら、おわかりになられると思います。
そこで、身体をリラックスさせて、呼吸を調え「調身・調息」を実践し「調心」していきます。
呼吸は「吸う、吸う、吐く、吐く、吐く、吐く・・・」と、丁寧に意識します。
そうすることで、身心が整っていくと同時に冷静さも取り戻し、イライラの原因から意識が呼吸に向く事で、イライラから意識を逸らし、イライラを抑える方法に繋がります。
イライラを抑える方法の智慧:「自分の都合通りにならないのが世の常」と意識して生きてみる
今回は、イライラを抑える方法やイライラ解消法を、仏教・禅の智慧をお借りして、2つに絞って方法や知恵をお伝え致しました。仕事や勉強、人間関係など、様々なイライラの原因があるのが現代社会です。
人間の性として、完全にイライラしないで生きていくというのは、不可能に近いと言えるでしょう。
でも、そんな現代社会において、否、だからこそ、極力イライラしないで穏やかに生きていきたいものです。

でも、そもそも、自分の都合通りにならないのが世の常です。
「自分都合にならないのが忍土である現世、思い通りになったら凄く幸運で感謝すべきこと」という意識を持って生きる事が、イライラしない方法の一歩目である、私はそのように思うております。
自分の都合に合致した事が起こったら感謝して合掌し、イライラする時も「まあ、これが忍土だ。」と諦めて(明らかにして)合掌してみては如何でしょうか。
尚、今回の智慧と関連した事柄を、こちらにご用意して御座います。
参照1:「イライラする時の禅的解消法」
参照2:「ストレス解消や発散の智慧まとめ」
合わせて学んで頂き、あなたが独自にイライラを抑える方法を編み出される智慧を会得されるに到れば、嬉しゅう御座います。
合掌