有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
新聞を読んでいると、2016年8月13日(土)、京都ではお盆の初日に「池上彰のニュースそうだったのか」にて、宗教についての特集が組まれていると知りました。
池上彰さんは、宗教についても幅広く知識をお持ちである方です。
ダライ・ラマ法王という、チベット仏教の僧侶との対談本もあり、私も読ませて頂いておりますし、池上彰さんの宗教に関する本も、幾つか読ませて頂いております。
今回は、仏教だけではなくて、キリスト教とイスラム教についても、わかりやすく「池上解説」にて、解説して下さる番組構成です。
仏教の解説においては、仏教の八大聖地の一つと言われているブッダガヤへ赴いて、取材したことを踏まえての解説をして下さいます。
ブッダガヤと言えば、私にとっては、兵庫県の浄土宗青年会の若き僧侶が毎年冬の時期に赴かれると聞いた事があり、その若き僧侶を思い出すキーワードになりました。
「池上彰のニュースそうだったのか」宗教解説の回は、仏教だけではなく、他の宗教も学べる事から、比較宗教学的な学び方が出来るのではないか、私はそのような味わいを頂く次第で御座います。
池上彰のニュースそうだったのか:宗教の回を復習するための宗教解説の本
池上彰さんは、色々な本を速いペースで出されていて、宗教についての本も幾つか出されております。仏教についての本は、ダライ・ラマ法王さんとの対談本が有名どころでしょうか。
また、仏教についての基礎知識を学べる本も御座いまして、併せて読んでおくと良いと思われる仏教の本も、私からお伝えする事が出来ます。
無宗教と言われている昨今の日本社会で御座いますが、だからこそ今一度、宗教について学ぶ機会が、こうして提示される事は凄く意味のあると、私は頂いております。
「池上彰のニュースそうだったのか」の宗教の授業・番組にあやかって、番組の復習にもなる本を、私からお伝えさせて頂きます。
それにより、あなたの宗教に対する興味関心、また理解がより深まる一助となりましたら、大変嬉しゅう御座います。

池上彰のニュースそうだったのか宗教解説編の復習本1:池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本
池上彰のニュースそうだったのか宗教編の、復習になる本その1は、:池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本
です。
|
個人的な欲望を言うならば、ゾロアスター教などの宗教にも触れて欲しかったのですが、そこまで取り上げると尺の問題と言いますか、ボリュームが多すぎるという課題もあったでしょうから、致し方在りません。
この本では、世界で特に信仰者の多い宗教を6つ、歴史と教義の基礎的なことを学ぶ事が出来ます。
「池上彰のニュースそうだったのか」では、仏教と神道の違いについても取り上げ、お寺と神社の違いについても、この本で復習することが出来ます。
本書では、基礎的なことだけを取り上げていますから、広く浅くまずは基礎知識から学びたいという人にとって、入門書としての力を発揮してくれる事でありましょう。
「池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本」と同時に読んでおきたいと、私個人が思う本があります。
それは、釈徹宗さんの
:早わかり世界の六大宗教
です。
|
浄土真宗本願寺派の僧侶であり、比較宗教学の教授でもある釈徹宗さんの解説は、解説のための事例も多く、これまた非常にわかりやすいと私には感じられました。
「池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本」と釈徹宗さんの「早わかり世界の六大宗教」は、解説していらっしゃる宗教も同じですから、併せて読まれる事で、より理解が深まるかと存じます。
ジャーナリストの視点と、仏教の僧侶であり、比較宗教学の視点からの解説という、違った視点から学ぶ事が出来ることも、凄く意味があると頂ける二冊の本です。
どちらも文庫本であり、求めやすい価格というのも、現実的な魅力でありましょう。
「池上彰のニュースそうだったのか」宗教解説編を復習する際に、私ならばこの二冊を揃えておきたい、そのように思う2冊であります。
池上彰のニュースそうだったのか宗教編の宗教解説編2:池上彰と考える、仏教て何ですか?
「池上彰のニュースそうだったのか」宗教編では、キリスト教とイスラム教、そして仏教と神道について解説して頂けます。流石に、番組の尺があるのでしょう、ヒンドゥー教とユダヤ教についても解説して欲しかったのですが、そこまで詳しくやり出したら時間が足りないのはわかります。
一つの宗教、例えば仏教一つだけを解説するにしても、解説しきることはとても出来ませんからね。
そして、宗教に馴染みが無い人でしたら、いきなり世界の三大宗教を全部復習する、あるいは学ぶというのは、なかなかに難儀するかと存じます。
そこで、せめて日本に関連が深い宗教、神道か仏教からまずは復習し、学んで理解を深めようと思う人も、いらっしゃるのではないでしょうか。
その時に、仏教から学ぼうと思われる方に、池上彰さんの仏教についての本と、共に読む事で理解が深まり、更に入り口としては有り難い本が御座います。
池上彰のニュースそうだったのか宗教解説編の復習本その2は、
:池上彰と考える、仏教ってなんですか?
です。
|
また、私も毎日称えさせて頂いている「南無阿弥陀仏」というお念仏についてや、日本の仏教が「葬式仏教」と呼ばれるようになった歴史的背景についても、解説されております。
各宗派や各論・教義については、各々で更に深めて行く必要がありますが、仏教のさわりの部分や基礎的な部分は、この一冊で学ぶ事が出来ると感じた本で御座います。
それと同時に、仏教について総合的に触れる事が出来る仏教解説本には、臨済宗の僧侶であられる、「書く禅僧」こと玄侑宗久さんの本が、大変参考になります。
その本は、
:私だけの仏教:あなただけの仏教入門
という表題・タイトルです。
|
池上彰さんによるジャーナリストとしての視点と、僧侶による視点での仏教入門書を揃える事で、違った趣を感じながら、仏教に入っていけるのではないか、そのように私は味わわせて頂いたものです。
仏教の入り口としては、この二冊は力になってくれるし、「池上彰のニュースそうだったのか」宗教解説編の復習にはぴったりの仏教入門書であると、私は思うております。

「池上彰のニュースそうだったのか」で宗教を学び本で復習する意味
「池上彰のニュースそうだったのか」で、宗教を学び、更に本で復習することが出来るように、今回は宗教関連の本も伝えさせて頂きました。何故、宗教を学ぶのか、その意味はどこにあるのか、問いを持たれる方もいらっしゃることかと存じます。
現実的なことを考えると、昨今の痛ましい事件に巻き込まれぬため、という実用的な部分もあるにはあるでしょう。
私は、確かにそれも大切だと考えております。
それに加えて、私は色々と宗教を学ぶ事の大切さを思うておりますが、その中から二つお伝え致します。
一つ目は、世界中で起こっている様々な問題、特に宗教がらみとみえる問題は、本当に宗教の問題であるかどうか、それを見極める力を養うことです。
例えば、アメリカの大統領選挙がらみの事柄において、特定の宗教を閉め出すような発言もあります。
また、宗教の教義を前面に出して、人の命を奪う事を正当化されている事例も御座います。
では、果たして是は本当に、宗教の問題であるか、また、「宗教だけの問題であるか」という部分を見出す為に、宗教について知っておく事が大切ではないでしょうか。
そうしないと、政治的な問題を、宗教の問題にすり替えられても、気がつかずに過ごしてしまい、結果として特定の宗教を、信仰者を差別的な目で見てしまう恐れがあります。
このような見方を、仏教では「邪見」といいます。
そのような衆生を「邪見驕慢悪衆生」と、真宗・浄土真宗の正信念仏偈に記されております。
宗教について「邪見」な見方をしないためにも、宗教を学ぶ意味がある、そのように私は頂いております。
そしてそれは同時に「これは宗教であるか、宗教の名を借りた詐欺か」など、そのような事を見抜く力にもなるだろうと、私は思うております。
宗教を学ぶ二つ目の意味・意義は、
:その人が大切にしている宗の教えを尊重する事に繋がる
:それがお互いが平和である生き方に繋がる
ということです。
そして、そのためには宗教を「エトス(行為様式)」「パトス(精神性)」「ロゴス(言葉・教義)」をバランス良く学ぶ事が大切であると、私は学ばせて頂いております。
例えば、ユダヤ教には食規範(カシュルート)があります。
その食規範の一つに、「血は断じて食べてはならない」ということが御座いまして、レアステーキなどは食べられません。
このことについては、釈徹宗さんの「早わかり世界の六大宗教」にも、釈徹宗さんが体験されたエピソードと共に記されておりました。
このように、各々の宗教には、生活規範や独自のエトス(行為様式)があります。
その事を学んでおくと言う事は、相手が何故そのような事をしているのか、そのエトスの理由や背景、精神性を知るということに繋がるのです。
もしも、誰かが自分と違う事をしていて、それが自分の行為様式や生活様式からかけ離れた行為であったら、差別的な意識が芽生えるかもしれません。
しかし、きちんと宗教を学んでおくことで、相手の宗教心・信仰心と、それに伴うエトス(行為様式)を尊重する事に繋がるのではないでしょうか。
私は宗教を学ぶ意味を、このように頂いております。
「池上彰のニュースそうだったのか」宗教編では、そのような事に念頭を置いて池上さんの解説にて、宗教を学んでは如何でしょうか、そのように提案させて頂く次第で御座います。
合掌