有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
以前、紫陽花(あじさい)についてこのお堂(ブログ)にて、お話しした事が御座います。
参照:「紫陽花(あじさい)の花言葉から学ぶ仏法」
紫陽花は6月になると、各地で見られる花であり、色とりどりの色彩で我々を楽しませてくれるものです。
紫陽花そのものは、人間を喜ばせるために咲いているのではありません。
しかし私はそこに風情や風流を感じ、また「柳は緑、花は紅、真面目」という禅語にも思いをはせるところであります。
紫陽花というと、鎌倉や奈良など各地で有名所がありますが、京都にも紫陽花を楽しめる場所が幾つもあります。
仏教の話を交えるならば、やはり紫陽花寺(あじさい寺)は欠かせませんね。
そこで、私が住まわせて頂いている京都で、紫陽花を楽しませて頂ける紫陽花寺についてお伝え致します。
また、私は過去に紫陽花祭りを楽しんだことがあり、その事もお伝えすると致しましょう。
京都の紫陽花寺(あじさいが名所のお寺)
以前の「紫陽花の花言葉」についての表題でも、京都で紫陽花を楽しむ事が出来る寺社仏閣を紹介致しました。その時は、京都の紫陽花寺としても有名な「三室戸寺(みむろとじ)」という、本山修験宗のお寺を紹介させて頂いております。
千手観音像があるお寺としても有名です。
あじさいが咲き乱れる季節となると、三室戸寺ではライトアップも催されていますから、夜遅くまで楽しめるのが有り難いですね。
:夜間ライトアップ期間と時間
:6月11日から6月26日まで
:19時から21時まで
京都府宇治市にあるお寺で、周辺には平等院鳳凰堂や禅宗である黄檗宗のお寺「萬福寺」もあります。
また、源氏物語の舞台と言う事もあって「源氏物語ミュージアム」も御座いますから、昼は観光、夜は紫陽花寺というしゃれた京都の旅も乙なものです。
平等院鳳凰堂で極楽浄土を感じた後、三室戸寺で紫陽花を愛でるというのは如何でしょうか。
もちろん、飲み物は宇治抹茶で。
また、三室戸寺は蓮の花でも有名なお寺さんで、6月下旬に行くと、タイミングが良ければ紫陽花と蓮の花を両方楽しむ事が出来ます。
ちなみに、三室戸寺は、2009年に「日本のあじさい名所ランキング(朝日新聞)」で3位になったという話も御座います。
その他、京都市内で行けそうな紫陽花寺に「三千院」があります。
「京都大原三千院」という歌にもなっていて、もしかしたらアニメーションや漫画が好きな人ならば、「湘南爆走族」で知った人もいらっしゃるやもしれません。
湘南爆走族の修学旅行の回で、津山さんというキャラクターが、京都の修学旅行中に歌っていました。
(知ってるか知らないかで、年齢がバレますな。)
三千院の宗派は天台宗で、ご本尊は薬師如来です。
6月16日から7月15日までは、三千院で「あじさい祭り」が開かれております。
京都で紫陽花を楽しみながら、仏教にも触れる事が出来る機会であります。
京都で紫陽花を楽しむ事が出来る神社
京都の紫陽花寺を2カ所お伝え致しましたが、寺社仏閣の紹介と言う事で、神社も一つ紹介致しましょう。京都で紫陽花を楽しめる神社といえば、京都市伏見区の藤森神社があります。
地図を見て頂ければ分かりますが、藤森神社は沢山の鳥居で有名な伏見稲荷大社から南へ歩いて行くと到着しますし、わかりやすい立地です。
ちなみに、この京都市伏見区深草は、私の母校である龍谷大学の深草キャンパスがある地域でもあります。
藤森神社に参拝できる時間は9時から17時までですから、朝に藤森神社で紫陽花を楽しんでから、午後は伏見稲荷大社へ参拝、という神社のはしごもなかなか乙なものかと思います。
パワースポット巡りをしている人なら、さくっと行ってしまいそうな気がするものですが、如何でしょうか。
昼食は、伏見稲荷大社周辺か、そこに行くまでにある龍谷大学近辺に幾つも食事処がありますから、食事で困ることはないでしょう。
学生御用達の食事処が周辺にあるのは、観光客にとっても実は有り難いかもしれません、安い上に量もありますからね。
もしもお時間に余裕があったら、上で紹介させて頂いた紫陽花寺と、紫陽花の名所でもある神社の両方を行かれると、それぞれの趣を感じる事が出来る古都の旅になるのではないかと思います。
紫陽花寺で仏教に触れ、神社で神道に触れる、宗教的な情緒を感じる京都の旅というのも、なんだか風流な気がします。
この観光で「神仏習合」を体験した、というのは、少々無理がありますかね。

私の紫陽花祭り(あじさい祭り)体験談
私は、紫陽花祭りを体験した事が御座いますが、それは京都の紫陽花祭りではありません。私が体験した紫陽花祭りは、静岡県下田市の「あじさい祭り」です。
私、20代半ばの時に、静岡県南伊豆町というところに単身赴任しておった時期が御座いまして、仕事が休みの日に観光も満喫しておりました。
私はオートバイ乗りでして、よく伊豆や下田をオートバイで走っており、伊豆から三島や沼津に繋がる主要道路は全て走っております。
そんな中、丁度6月に勤務先が連休だったこともあり、下田市の紫陽花祭りに行った事がありまして。
これは、下田市が用意して下さった紫陽花祭りの様子がわかる動画です。
下田市のあじさい祭りの舞台は「下田公園」というところで、6月1日から6月30日まで開催されています。
私が行った時は、雨に濡れておりましたが、雨の中だからこそ感じられる風情・風流も御座います。
色も各々鮮やかに咲き乱れており、紫陽花の道を通る人達の目と心を楽しませてくれます。
また、紫陽花を楽しんだ後は、ペリーロードや道の駅で、お土産やお茶を楽しめますから、観光も楽しめますよ。
私は、単身赴任が終わってから、友人とツーリングで再び訪れた際「道の駅開国下田みなと」で、金目鯛バーガーを食べた思い出があります。

紫陽花祭りを仏教的に観る話
紫陽花は、色が幾つかあるだけで無く、同じ花でも「濃い」「淡い」の違いがあります。同じ紫の紫陽花なのに、ここは濃くてあちらは淡い、など、微妙な差異に注目してみるのも、一つの観賞の仕方です。
仏教、とりわけ真宗・浄土真宗のご門徒さんならば「みんなちがってみんないい」「バラバラでいっしょ」という言葉を連想される人もいらっしゃるかもしれませんね。
「みんなちがってみんないい」は、金子みすゞさんの詩で、「バラバラでいっしょ」は、真宗大谷派の蓮如上人500回御遠忌の時のテーマです。
紫陽花祭りで沢山の紫陽花を観る時「あちらが良い紫陽花で、こちらが悪い紫陽花」という見方をするのではなく「それぞれがそれぞれに咲いている」という見方は、真宗的な見方にも思えます。
20代半ばの頃は、まだ仏教徒としての自覚が薄い時代でして、そこまでの考えなく紫陽花を眺めておったものですがね。
今の私が、また下田市のあじさい祭りとご縁賜った時、合掌しながら紫陽花の道を歩くのではないか、そんな気が致します。
合掌