エンゲル係数を計算する意味

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

ちょっと時間を見つけてニュースを読んでいたら、何やら「エンゲル係数」について取り上げられておりました。
399440 エンゲル係数とは、家計をやりくりされている主婦には気になる数値ではないでしょうか。

エンゲル係数の計算式は、支出の中に占める飲食費の割合です。

計算式に致しますと、
:食費÷支出×100=エンゲル係数
です。



エンゲル係数が高いと生活水準が低く、エンゲル係数が低いと生活水準が高いというのが一般的に言われている事であり、私も家庭科の授業でそのように習いました。

生活水準がどうのこうのというのは、人それぞれ感性によって違いますから、一概に言えるものではありませんが。



そもそも、だったら純然たる出家集団の生活はどうなるんだと、仏教者の私などは考えてしまうところであります。

海外の出家したお坊さんは、托鉢や信者、門徒さんのお布施で生活されているところも存在しますから、エンゲル係数が凄く低いでしょう。



そのような事を考えていく内に、エンゲル係数を計算することの意味について、ふと思った話をさせて頂きます。

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エンゲル係数を計算して家計のやりくりを考える意味

エンゲル係数とは、家計をやりくりする際に、お金の管理や貯蓄のための指標として使うには有効です。

仏教的な言い方を致しますと、エンゲル係数を計算して、己の現在地を知るという意味においては、有効な手段であると思います。



あくまで家計の現在地を知る指標としての意味を認識し、お金を大切に預からせて頂く際の指標として計算式を使うまでは、問題御座いません。

しかし、エンゲル係数を計算した後、「二念・三念を継ぐ」傾向に、私はいささか「なんだかなあ。」と思うております。



エンゲル係数を計算した後、大抵はこのような事を考えるのではないでしょうか。
「うちの食費は日本の平均よりも高いエンゲル係数だ!生活水準が低いんだ!」
「やった、俺の家は日本全国の平均的なエンゲル係数より低いぞ!」
と。

エンゲル係数を計算式に当てはめて計算して算出された価は、あくまで数値です。

その数値を、幸福度の数値や生活水準の価、平均や他人との比較に使い始める事を、無意識にしてはいないでしょうか。

日本的な感性としては、特にこのように「二念・三念を継ぐ」という状態に陥りやすいのではないかとお見受け致します。



日本人の特性でしょうか、こういう事を気にしだしたら、やたら全国平均や、お隣さんの食費も気になり出す傾向というのは。

中にはエンゲル係数を国際比較する人もいて、比較の規模が凄い方もいらっしゃいます。



他者と比較してしまうのは、人の性であります。

そして、比較してしまう事それ自体は悪くはありません。

しかし、
「エンゲル係数が高い我が家はダメなんだ・・・。」
「エンゲル係数が低い俺の家は素晴らしい!」
というように、一喜一憂するところまで念を継いでしまう事が、なんとも頂けません。



食費の平均とエンゲル係数の目安を計算式から求めるまでは結構ですが、平均や目安に精神まで踊らされないように、注意したいものです。

そもそも、エンゲル係数の数値について言えば、時代によって平均値や目安は変わってきています。

1980年辺りでしたら29%くらいでしたが、平成の時代は23%ほどまで下がりました。



目安はあくまで目安で、それに一喜一憂し、それに囚われてしまう事は、考えものです。
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エンゲル係数を計算し、食費の目安を気にする前に考えたい事

食費が家計を圧迫している場合は、速やかにエンゲル係数を計算して、食費を上手くやりくりすると言う事は、家族の生活に関わる事ですから、確かに大切で意味のある事です。

その時に、参考までに全国平均や食費の目安を参考にすることには、それはそれで意味がありますし、そこまでを私は否定致しません。

きちんとエンゲル係数を計算して、それを生活の知恵として活かすのは、私も賛同するところであります。



ただ、食に関わる事を考えるならば、私は同時に考えたいと思うておることがあります。



それは、
:食の意味・概念と真剣に向き合う
:自分と家族と食の関係を改めて見直す
ということです。



例えば、エンゲル係数が高いという結果が出た場合、一体どうして高いのか、どうして高くなったのか、その原因を考えます。

仏教的な言葉を使うと「食費の果(結果)となる機縁、因(原因)の部分を観察・考察する」という事です。



そうした場合、一例として出来合いのお総菜や冷凍食品に頼ってばかりで、結果として食費が高くなっていたとしましょう。

お総菜とか出来合いのものって、どうしても人の手が加えられているためか、人件費分高くなります。

また、忙しさにかまけて外食をする事が多かったりしていることにも、気がつくかも知れません。

そういうとき、確かに外食を減らしたり惣菜を買ってばかりの生活を改めることは、身体にも家計、経済的にも良い方向に向かいますから、大いに賛同致します。



私は、そこから更に
:食と向き合う、食を見つめ直す
という事も提案致します。



例えば、子供が居るけど共働きで忙しく、出来合いの食品ばかりに頼り切っていた場合を例にします。

その場合、食費を見直すために、エンゲル係数を計算すると致しましょう。

その時に、同時にこのような事を考えて見ては如何でしょうか。
「季節のもの、旬の食べ物をきちんと食べていなくて、食べ物で季節感を味わえなくなっているのではないか?」
「そうすることで、子供達にまで旬の食べ物の味や知識を伝えられていないのではないか?」



エンゲル係数の計算をきっかけとして、自分と家族の食を見直した時、自分自身も長い間、旬の食べ物を気にしてこなかったかも知れない、という事に気がつくきっかけにもなります。



そうすると、流石にいきなり毎日自炊するのは大変でも、せめて休日だけでも子供と一緒に台所に立って、旬の食べ物を素材から調理する機会を設ける、と言った発想にも繋がっていきます。

割高の冷凍食品や出来合いの惣菜、あるいは外食で出費が嵩むことも減らせますし、結果的に食費も抑える事にも繋がります。

エンゲル係数が、改善されたという結果が数値として表れるでしょうし、そうなると単純に嬉しさも享受出来るかと思います。

また、家族の交流にも食を通して深みが増していく可能性も高まりますし、食育にも繋がります。



きちんと家族揃って「いただきます。」と合掌する事をおろそかにしていた事に気づいたら、これを機会に改めたいものです。



エンゲル係数を計算するのであれば、これだけの意味があるものにすることは、円満な家庭と食生活をおくるという事にも繋がるのでは無いでしょうか。

「家族円満な食生活」をおくることは、仏教が説く「自利利他円満の実践」の一環ではないか、そのように味わっております。
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エンゲル係数の計算を意味あるものに

仏教、特に禅宗では食に関する事は凄く大切に教えて下さっており、食事も大切な修行としております。

仏教徒や禅僧でなくとも、食は人間の営みにとって大切な事であります。



確かに、食費が家計を圧迫している場合は、エンゲル係数を計算してやりくりする事は大切でありますし、実用的な意味も御座います。

有識者やエンゲル係数などを研究されている専門家も、エンゲル係数で家計のやりくりや見直しの有用性をとかれていますし、それ自体には私も賛同するところがあります。



しかし、エンゲル係数を気にするなら、同時に食と一度真剣に向き合う事は、そのまま生活の知恵や禅、仏教の智慧の実践にも繋がり、仏道修行でもあると、私はそのように思うております。



もちろん、食費を気にするという意味から始まるエンゲル係数の計算があるのはわかります。

ただ、折角エンゲル係数を計算して、食について数字から向き合うのであれば、同時に食の意味を考え、食と向き合うという事も意識して観ては如何でしょうか、と提案させて頂きます。

そうすることで、数字だけでは無く、人生を通して大切な「食」も、意味のあるものに彩られていくのではないか、私はそのように味わいを頂いております。



食費について考える際、同時に食との向き合い方や食そのものについても、考えたいものです。



合掌

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