有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
断捨離がブームとも言える昨今、あなたも断捨離をしたという経験をお持ちでしょうか。
家の中や部屋の不要なもの、増えすぎた物を整理整頓するために、断捨離の方法は本やウェブサイトで学ぶ事が出来ますし、最近は人間関係の断捨離という概念もあります。
私は更に、仏教の視点や仏教の教えの相乗効果によって、
「断捨離は方法によっては、仕事を覚える時に活きる効果がある」
という事も考えております。
仕事だけでは無くて、スポーツやその他の世界でも通用しますが、特に新しく仕事を覚えるときに活用出来る概念として、お伝え致します。
新入社員の方や、転職先で役立つ効果的なコツなり智慧でありますよ。
断捨離とは何かを、軽く復習
断捨離とは何か、意味をおさらい出来ます。軽く復習しておきますと、断捨離とは
:物や情報を断って捨てて離れる
という、ヨーガ(ヨガ)の概念としてある言葉です。
それを、現在の日常生活において、やましたひでこさんや断捨離の達人達が世に広められて、一般的に知られるようになりました。
最近は、情報や人間関係も断捨離するという概念も生まれて、セミナーや講座も開かれているほどで「断捨離ビジネス」も確立されているような、そんな印象を持っております。
断捨離と親和性の高い、仏教伝来の智慧「守破離(しゅはり)」と「習絶真」
断捨離の概念や効果を仕事に活かす、いわば「断捨離仕事術」をお伝えする前に、前提となる話を致します。あなたは「守破離(しゅはり)」という言葉と概念をご存じでしょうか?
「守破離」とは、能や雅楽、茶道・茶の湯などの芸能文化由来の言葉で、更に遡れば禅と深い関わりがある言葉であり概念です。
大まかに「守破離」とは何かを解説致しますと、
:守は型を守り血肉となるまでに身につける
:破はその型を破り躍進し型から出る段階
:型から完全に離れ、型を産む段階
です。
禅の教え、臨済宗の「臨済録」には「仏に逢ったら仏を滅しなさい」という教えがあります。
これは、単に「破」と「離」をうたったのではなく、まずは仏法・教えをきちんと守り、でもそれを絶対化しない、縛られてはならない、という戒めの教えであるという解釈があります。
「守破離」の概念や理念と共通する部分があります。
禅にはこのように「守破離」の元となる考え方や修行の段階の教えがあります。
禅と深い関係がある茶の湯・茶道や、能などに「守破離」の概念や在り方が根付いているのも、頷ける話です。
ちなみに、仏教では「習絶真」という言い方もあり、概念・考え方は「守破離」とほぼ同じです。
ただ、わかりやすくするためにここでは「習絶真」ではなく、「守破離」で解説を進めます。
「断捨離守破離」は、新しい環境で仕事を覚えるときの仕事術
今回、私がお伝えするのは、「守破離」と「断捨離」の合わせ技とその効果です。よく、仕事を覚えるときや、新しい物事を始める場合、「守破離が大切だ。」と言われます。
あなたも新入社員時代や、転職先で先輩に言われたことってありませんか?
私は「守破離」の前に「断捨離」を付ける事によって、より早く仕事を覚える事に繋がる効果があると考えております。
言うなれば「断捨離守破離(だんしゃりしゅはり)の仕事術」です。
例えば、レストランで接客業をしていると仮定します。
世の中には色々なレストランがありますが、レストランの接客業務でも、店舗や場所、環境によって、そのやり方というのはまちまちです。
器具の呼び方が違ったりとか、細々とした違いがあるものです。
そこで、1店舗目、仮にA店で働いた後、2店舗目、仮にB店に転職したと致しましょう。
新しい環境であるB店で働く場合、「仕事を覚えるために守破離だ」と張り切って仕事を始めるとします。
この時、新しく仕事を始める前に「A店でレストラン業務をこなせて板から、同じ要領でやれば問題無い」という思考になりがちだと思います。
でも、A店で覚えた事は、そのままB店で通用するとは限りません。
むしろ、A店で培ってきた事が、最初の内は邪魔をしてしまったり、新しい環境の仲間達との衝突なりトラブルになるきっかけになる可能性もあります。
そんな時、「守破離」を意識して仕事をする前に、一旦A店でやって来た事を「断捨離」する事から始める、という方法なり考え方をしてみることです。
前に覚えたA店での仕事術を一旦「断捨離」してから「守破離」の在り方で仕事を覚える、という事です。
そして、B店で「離」の段階に来てから、A店とB店のやり方をミックスさせても良いと思われる仕事術を自ら切り開いていく、という事です。
それを「断捨離守破離(だんしゃりしゅはり)の仕事術」と、私は勝手に名付けました。
そうそう、「断捨離守破離」の効果とか仕事術とは直接関係ない話を、一つだけさせて下さい。
「断捨離守破離の仕事術」って、私が好きな漫画「はんなりギロリの頼子さん」と、語呂が似ていると感じております。
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それだけ言いたかったんです。
東本願寺が登場するということで、仏教とは全く関係がないというわけではない、という事で、ご勘弁を頂けましたら嬉しく思います。

「断捨離守破離」の効果
「断捨離守破離」という考え方や概念は、特に転職した後に新しい環境で仕事を覚える際に、凄く効果が高いと私は思うております。前の職場での仕事術を引きずって、それが上手く作用するなら良いのですが、万事が上手く行くとは限りません。
同じ業種、同じ業態でも、店舗によって文化や在り方も違います。
ゆえに、一旦前の仕事で培った事は「断捨離」してから仕事に取り掛かれば、仕事をゼロから覚える準備が出来ている状態で「守破離」の守に入る事が出来るという効果があります。
「断捨離」を前に持ってくる事によって、先入観なく仕事を覚えるというのは、とても理に適って効果的な仕事術だと思いますが、如何でしょうか。
また、「前の職場では私はこうでした!」と意固地になってぎくしゃくする事もありません。
だから、新しい職場の人達と、仕事のやり方を巡って、最初から無益な衝突を防ぐ効果も期待出来ます。
新入社員として働き始めるならば、学生時代の学生気分やアルバイト気分や先入観などを一旦「断捨離」して、新しい環境で仕事を覚えやすい状態でいられるという効果もあります。
この「断捨離守破離」の智慧を実践するに辺り、このようなことわざを思い出します。
「郷に入っては郷に従え」
これは、前に学んだ事を一端忘れたり断捨離して、守破離の守を実践するに辺り、とても力となってくれることわざである、私にはそのような味わいを感じられます。
「郷に入っては郷に従え」は、人に強要するのではなく、断捨離守破離の実践のために、克己心として発揮したいことわざであります。
「断捨離守破離」は、新しい環境でスムーズに仕事を覚える効果が高く、新しい環境になっても直ぐに活きる仕事術であり概念だと、私は思うております。
尚、断捨離について基本的な事は、こちらに掲載させて頂いております。
参照:「断捨離とは何か?」
参照2:「釈徹宗さんが断捨離を仏教の視点で解説」
また、「断捨離についてもっと知りたい」とおっしゃるあなたへ、まとめ記事を用意させて頂いております。
「断捨離実践のコツと効果まとめ」
こちらで総合的に断捨離を学び、守破離と共に実践して頂く事で、より「断捨離守破離」を身につけやすくなると思います。
合掌