釈徹宗さんによる断捨離解説

有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。

2016年4月のNHK「100分de名著:歎異抄」では、浄土真宗の僧侶で宗教学者の釈徹宗さんが解説して下さっています。
お坊さん 黒 毎回、私も復習という事もあって、このお堂(ブログ)で話をさせて頂いておりますが、釈徹宗さんと断捨離の話について調べていらっしゃる方が来て下さる事もあります。



「断捨離(だんしゃり)」は、ヨーガ(ヨガ)の思想や概念であり、仏教とも関連がありますから、その事を調べていらっしゃるのだと思いきや。

どうやら、以前NHKの番組や、断捨離という言葉を世に広めた、やましたひでこさんとの対談講演があったと言う事を知りました。



釈徹宗さんの宗教学者として、また仏教の僧侶として仏教の視点から「断捨離」をどのように解説されているのか、私も知りたくなって色々と調べてみました。

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釈徹宗さんとやましたひでこさんの断捨離対談講演

釈徹宗さんとやましたひでこさんは、一度、断捨離をテーマにして雑誌で対談されています。

そのご縁もあってか、300人の聴衆を集めた対談講演も実現して、参加者の方からは結構な好評だったようですね。

断捨離を教えるやましたひでこさんと、仏教の視点と宗教学者としての視点で、断捨離を解説される釈徹宗さんの話ですから、私も知っていれば聞きたかったものです。

特に、釈徹宗さんの本や解説って、噛み砕いて説明して下さいますから、私もわかりやすいと感じております。



対談では、現在の日本社会は特に「足し算社会・足し算生活」になっていると、やましたひでこさんが指摘されています。

確かに、物質の時代と言いますか、飽食の時代と言いますか、巷には物と情報が溢れかえっているという感はあります。



更に、その物や情報を購入させようと、売る事ばっかり上手い輩も多い世の中ですね。

特にネット社会、ネットビジネス系では、お客様が手にされる結果よりも、いかに高く売りつけて自分だけが儲かるかと言う事しか頭に無い、我利我利亡者のいかに多い事か。

使い切れない物、処理しきれない情報の海に、望んでいないのに放り込まれている、そのような印象を持つ人も、私以外にもいらっしゃるやもしれません。



「断捨離」がここまでブームになったのは、このような情報過多、物質過多の時代において必然だったとも言える気がします。



そのような現在を踏まえて、やましたひでこさんは「引き算の生活」ということで、断捨離を解説されています。

そこに、釈徹宗先生は「物と自分の関係性を問い直す」と言う事を解説して下さいます。

モノを捨てるには多少なりとも痛みを伴うと言う事を指摘され「断捨離は自分軸や対象のモノと自分との関係性を問い直す行為である」と仰っています。

仏教では、ご縁や関係性という概念を大切にしていますから、この辺りは仏教の視点も交わっていますね。

また、モノを捨てる事によって「己の執着心に気づき、執着心を手放す訓練なり修行になる」と言う事にも通じていきます。



対談講演の結論部分で、やましたひでこさんは
:断捨離は自分とを知り、心の混沌に気づく事
と仰いました。

そして釈徹宗さんは
:執着心を調える
と仰っています。



執着心を断捨離で捨てるのではなく「調える」というところに、「執着心を放下着」という思考で固まっていた私には新鮮に感じました。

「調える」というのは「調身・調息・調心」とあるように、まさしく仏教の視点であり、確かに通じるところがあります。

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断捨離は仏教に通じる現代の知恵

釈徹宗さんは断捨離について、NHKの断捨離特集の時にゲスト解説者として出演されていた事もあります。

その時の解説は
:断捨離とは身辺の整理を通じて、自分を整えること
:いらない物は捨てるという行為を通じて、心の整理をするというのが現代人の知恵

というものでした。



解説の中で「特に現代社会は、自分から求めなくても、物や情報が沢山まとわりついてくるし、向こうからやってくる。」と現代社会の物や情報の氾濫具合を指摘されています。

私もこれは思うところであり、頼みもしないのに、こちらを惑わす情報や物が沢山あります。

こちらを惑わし、誘惑して煩悩を刺激してくる時代で、油断したら一気に絡め取られてしまいます。



「断捨離で身辺整理をして、自分も整える」
「執着心を捨てて、己を調える」

このような断捨離の在り方は、確かに現代の智慧であり、現代社会を生きる私たちにとっては必要な知恵だという教えには、私も賛同するところがあります。



それに、断捨離をするときに内観・自己観察する事によって、自分が何に、どのようなモノやコトに執着しているかも見えてきます。

自分自身を調えるためには、まず己を知る事から、と言う事を考えると、断捨離という行為は上手い知恵だと、私は思うております。

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これに付け加えるならば、私は
:見立てやお布施というかたちの断捨離も実践する
と言う事を提言致します。



断捨離をする際に、まだ使えるものをそのままゴミ箱に捨ててしまうのは、あまりにも忍びない人もいらっしゃるでしょう。

まあ、それを「えいや!」と、執着心と共に捨てるのが「断捨離」でもあるのですが。



そこで、禅の智慧「見立て」や、仏教の視点からは「お布施」というかたちをとるのも、一つの知恵です。



捨てるモノを別の物に変化させて、見立てて活用するとか、まだ使えるモノや着用出来る衣類は、誰かに受け取って頂くとか、そういった断捨離方法です。

使えるモノを次の人に継承していく事は、お布施の修行でもあります。

もちろん、その時は「要らないから押しつけちゃえ」ではなく、受け取ってくれる人が気持ち良く受け取って頂けるという事を前提としてですよ。



廃棄処分するだけが「断捨離」ではありません。

釈徹宗さんが解説して下さる仏教の視点や智慧をフル活用して、己を調える「断捨離」をしたいものです。

断捨離を釈徹宗さんの解説に学んだ上で、より理解を深めたいあなたへ

今回は、断捨離について釈徹宗さんによる仏教視点での解説を紹介させて頂きました。



断捨離や、それに関わる事柄について語られている僧侶は、釈徹宗さんの他にも、幾人か本を出す等して伝えて下さっています。

このお堂(ブログ)でも、何度かお伝えしておりますから、すでにご存じの方もいらっしゃるやもしれません。



例えば、断捨離に深く関連する事柄や、物を持たない暮らしでシンプルライフを実現する仏教の智慧、禅の智慧を、曹洞宗の僧侶であられる枡野俊明さんが、数々の本で伝えて下さっています。

枡野俊明さんは、片付けを教える沖幸子さんとの共著・対談本「禅と掃除 清々しく暮らす」も出されています。



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禅宗・禅の世界では、「一掃除二信心」と言われており、掃除を大切な修行と位置づけられています。

掃除をするに辺り、断捨離は力になる考え方であり概念でありますし、掃除の達人との対談が実現するのも、頷けます。



釈徹宗さんは、断捨離を宗教学者として、また浄土真宗の僧侶という仏教者の視点で、断捨離を解説して下さっています。

禅僧の視点からも断捨離を学ぶ事で、視野が広がるのではないかと思い、ここに紹介させて頂いております。



私も、在家仏教者としての視点ではありますが、断捨離とは何か、その意味や解釈を提示しております。

「断捨離とは何か?意味と実践のコツ」



また、断捨離について総合的に学べるように、まとめ記事もこしらえておりますから、合わせてお読み頂くと、断捨離ライフを実践しやすくなります。

「断捨離のコツと効果まとめ」

こちらも合わせて、ご利用頂けましたら嬉しゅう御座います。



合掌

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