有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
あなたは、キッチン・台所に立って料理をする習慣は御座いますか?
最近は、自宅食と言いますか、節約術や健康的な食生活を営む一環として、自分の家のキッチンで料理をすることが見直されているような気もします。
忙しい現代社会において、なかなかキッチンに立って料理をするのは大変かと思いますが、仏教云々抜きにしても、これは推奨したい話では御座います。
自炊ブームとでも言いましょうか、これは一過性の「ブーム」で終わって欲しくはないという願望なり煩悩が、私にもあったりします。
ただ、準備と料理をした後、そして食べた後の片付けにまで、あなたは意識を向けていらっしゃるでしょうか。
食べ終わった後のキッチン・台所を片付けているかどうか
キッチン・台所の後片付けや、料理をし終わって、また食べ終わってからの後片付けというのは、食事という分野においてはつきものです。禅の修行、仏教の在り方として「片付けはめんどくさい」は許されません。
禅寺では、行住坐臥(ぎょうじゅうざが)全てが修行で、畑仕事を始め諸々の作務も、料理も食べることも後片付けも全て修行と位置づけていらっしゃいます。
流石にそこまで厳密に禅寺の修行を真似しなくても、食後の片付けは必ず行わなければならないものですから、どうしたってやらなければいけません。
でも、食べる事は楽しむけれども、その前の料理や、食べ終わった後の片付けというのは億劫で面倒だと思う人も多いのではないでしょうか。
それゆえに、仕事がある平日はキッチンの流し台に食べ終わったお皿をためて、週末に一気に洗ってしまおう、なんてこともあるのではないかとお見受け致します。
また、折角台所があるのに料理は全くせず、インスタント食品ばかりで、食べ終わったカップラーメンは汁が入ったままで台所に溜まるとか、漫画みたいなキッチンの有様になっていたり。
これでは、酷い場合は虫達を呼び寄せ、また発生させ増殖させる要因となり、衛生的にも大問題です。
キッチンで料理をして、自炊して自宅でしっかり食事を取ることは良いのですが、やるならば片付けまでしっかりと終わらせたいものです。
そこで、私も実践しておりますキッチン・台所や料理においての後片付けについて、仏教や禅の智慧と共に、そのコツを3つお伝え致します。

キッチン・台所の片付けるコツ1:片付けではなく次の準備
キッチン・台所の綺麗を保つ片付けるコツその1は、:片付けではなく次の準備をすると考える
です。
これは、禅僧の枡野俊明さんが、色々な本で言われていることから、禅僧の智慧であり、掃除や片付けに対する心構えなり智慧とも言えます。
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もちろん、仕事においてもこの考え方は役立ちます。
そしてこれは、実際に私も実践し続けていることですし、うちの台所が毎日綺麗な状態を保てているコツでもあるのです。
どういう事かと申しますと、例えば晩ご飯を食べ終わったとしましょう。
そうすると、必然的にお皿を洗う作業が発生します。
家族と同居されているならば、役割分担をするなりして工夫すれば良いでしょうが、単身赴任で一人暮らしなどの場合は、皿洗いなどのあと片付けも自分でしなければなりません。
そういう場合、皿洗いまでやるのは「めんどくさい」と思って、溜まってからまとめて洗えば良い、なんて考えがよぎってきます。
これは、洗濯物をためてしまう心理と似ていますね。
そうではなく、毎食後、しっかりと皿洗いを完了させるのです。
「帰るまでが遠足」と似ているかもしれませんが、「皿洗いを完全に終わらせるまでが食事」と言い換えても良いでしょう。
ちなみにうちでは、私は修行の一環として、一家の皿洗いを全てさせて頂いております。
それも、必ず毎食後、キッチン・台所の洗い桶にコップや皿を一枚もためることなく、その場できっちりと洗います。
これを実践すると、次の食事、今回の例でしたら晩ご飯の後に皿を洗って片付けて置く事で、次の食事である朝食の準備がスムーズに出来ます。
これは非常に合理的ですし、禅の教えや智慧を実践している事にもなりますし、衛生的にも良い状態を保てて、メリットしかないと思える程です。
「片付けではなく、次の準備をしている」
これを意識するかしないかで、「めんどくさい」という心理も影を潜め、片付けを面倒と思わなくなるのではないか、私の実践し続けている体験からもそう思うております。
キッチン・台所の片付けるコツ2:料理は片付けながら行う
キッチン・台所の綺麗を保つ片付けるコツその2は、:料理は片付けをしながら行う
です。
これは、私が祖母と母親から教わった料理術であり、キッチン・台所を綺麗に保つ片付けのコツです。
そしてこれも私が現在も「その1」でお伝えした智慧と心構え、コツと共に実践し続けている事です。
私は料理をするとき、また家族と一緒に料理をする際も、片付けながら料理を致します。
例えば、使い終わった鍋は、その場でその都度洗います。
また、出来るだけ生ゴミが発生しない工夫は前提としても、調理の際にどうしても生ゴミが出るものです。
そういう生ゴミも、調理が終わった段階で、その都度ゴミ袋にまとめて、その手でゴミ箱に入れます。
もちろん、その後はしっかりと手を洗いますよ。
このコツの実践は、鍋やフライパン等の調理器具が熱いうちに洗うことで、脂汚れが固まって落ちにくくなる前に綺麗に出来ますし、合理的でもあるのです。
また、このコツを実践する事により、後は皿洗いだけという状態になり、食後の片付けが楽になりますから、とても理に適っているのです。
:料理をしながら片付けもその都度行う
これも凄く有用なキッチン・台所を片付けるコツです。

キッチン・台所の片付けるコツ3:ゴミは出来るだけ小さくまとめる
キッチン・台所の綺麗を保つ片付けるコツその3は、:ゴミを出来るだけまとめて小さくする
です。
これは、キッチン・台所を片付けた後、清潔に保つコツでもあり、節約術・節約のコツでもあります。
そしてこれも私が祖母の代から教わり、現在も実践し続けているコツです。
例えば、刺身のパックなどは、形や大きさが同じものは、きちんとサイズワケして重ねます。
豆腐のパックなども重ねて、出来るだけゴミのカサを小さくしていくのです。
「めんどうくさい」と言ってゴミをどんどんゴミ袋に無造作にまとめているだけだと、あっという間にゴミ袋がパンパンになって、デッドスペースが多くなってしまい、実に勿体ない。
料理の際に出るプラスティックパックなどで、ゴミ袋がパンパンに膨らむという経験、あなたにもありませんか?
料理をして食べ物を食べる場所を清潔に保ちつつ、節約にも繋がるこのコツは、意識して実践したいものです。
そして、この「ゴミのかさを減らす」を実践する際、パズルをするかの如く頭も使い、工夫を凝らすことになります。
「どうすれば、ゴミのかさを減らせるか?そもそもどうすれば、ゴミが出ないように出来るか?」という工夫は、巡り巡って地球・環境にも優しい工夫ですね。
この「工夫(くふう)」は禅の教え・禅語でもあります。
よく知られている禅語としては「動中の工夫は静中の工夫にまさること幾千倍」でしょうか。
ゴミを減らし、ゴミが出ないような工夫を日々実践する事は、禅のプチ修行と位置づけて続けるのも、良い考え方であり、よきコツです。
節約術にもなり、キッチン・台所も美しい状態が保たれるこの片付けるコツを、禅の修行の如く行ってみては如何でしょうか。
最初は小さくはじめて、やがて習慣化して自然と出来るようになれれば、理想的ですね。
その他に、片付けについての智慧やコツについては、このお堂(ブログ)でもお伝えしております。
参照1:「片付けられない病気と心理をチェックする仏教的な意味」
参照2:「片付けられない人の心理と片付ける3つのコツ」
合わせてお読み頂ければ、キッチン・台所を綺麗に片付けるコツも掴みやすくなると思うております。
あなたの実践に役立てて頂ければ、大変嬉しゅう御座います。
合掌