有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
あなたは、ご自分の部屋を定期的に片付けられているでしょうか?
忙しくて、なかなか自分の部屋を綺麗に片付けるのは時間が取れなくて、週末に一気に、もしくは大掃除などの節目に一気にやるという人も、現代社会では多そうです。
常に綺麗に出来ていれば問題ありませんが、忙しい現代社会ではなかなか難しいですね。
しかし、油断していると「汚部屋」になってしまったり、最悪はゴミ屋敷さながらの有様になりかねません。
このお堂(ブログ)でも、汚部屋にならない智慧として、断捨離や禅の智慧による汚部屋対策についてお伝えしてきました。
参照:「断捨離実践のコツと効果まとめ」
今回は、更に一歩踏み込んだ部屋を片付ける方法や、脱汚部屋を実現するコツを、仏教や禅の智慧をもとにお伝え致します。
自分の部屋が汚部屋かどうか見分けるポイント
「汚部屋」については、以前このお堂(ブログ)でも取り上げた事がありますね。併せて読んで頂くと、更に理解が深まり、より部屋の片付けについてのコツを学べるものかと思います。
参照:「断捨離の後「汚部屋」に戻さない2つのコツを禅に学ぶ」
今回の表題では「汚部屋になってしまっている部屋を片付けるコツ」ということで、以前お伝えした話の前段階の事についてです。
部屋の片付けに取り掛かる前に、まず自分の部屋が「汚部屋」かどうかを知るところから始めます。
仏教においては、自分の立ち位置・現在地を知る事を大切に教えています。
現在地を知らないと、目的地までの道のりや道程も見えてきませんからね。
私が、片付け上手な前奏の本や、片付ける事や断捨離について詳しいお坊さんの話、それらから学んだ仏教・仏法から観る「汚部屋」チェックのポイントは幾つかあります。
全部申し上げると混乱しかねませんから、私も実践している代表的なものに限定致しますと、以下の3つです。
1:足の踏み場(衣類や本が床に散乱していないか)
2:机の上などに物が溢れていないか
3:ホコリが溜まっていないか
埃が溜まっているというのは、日常的に掃除をしていない目安になります。
嫌らしい話ですが、友人知人の家に遊びに行ったとき、埃の溜まり具合で、その友人が掃除や片付けが習慣化されているかどうかを見分けられます。
まあ、これは人の事をどうのこうのではなく、自分の部屋の片付けが目的で持っておく指標なのですが。
また、足の踏み場が無かったり、机の上が積ん読本や雑多なもので溢れかえっているのも、宜しくありません。
例えば、自分の部屋がたたみ8畳あるのに、その内の2畳が机とベッドで、残り4畳以上のスペースに衣類や本が散乱している状態は、私は「汚部屋」としております。
これでは、自分が部屋に住んでいるというより、物に住まれている状態です。
これらを踏まえて、今度は「汚部屋」を綺麗に片付ける、仏教・禅の智慧をお借りしたコツを3つ紹介させて頂きます。
部屋を片付けるコツ1:床に物を置かない
部屋の片付けをするコツその1は、:床に物を置かない
です。
「部屋の床に物を置く」ということを、ついついやってしまいがちではないでしょうか。
例えば、段ボールを部屋の隅っこに積み上げたり、本を床に置きっ放しにしたり。
机やベッドなど、家具類は多少仕方ないとしても、部屋の床に物を置いていくと、それがどんどん溜まっていきます。
段ボールなどの場合は、更にその上に物を置いて、更にその上に・・・という事になりやすいものです。
また、床に服・衣類や本などの物が散乱していると、足の踏み場が無くなって、生活しにくい上に部屋が雑多で美しくない状態です。
この状態を「別に大丈夫」「汚くない」と思われているなら、生活美意識の感性が鈍っていると思われます。
確かに、禅や仏教では「無分別(むぶんべつ)」「両忘(りょうぼう)」など、あれが綺麗だのこれが汚いだのという拘りを捨てる教えもあります。
何がゴミで、何が綺麗か汚いかというのは人によって違いますし、ゆえに仏教では、一概に価値観を固定することを諭す教えがあるのは確かです。
でも、それを「部屋を片付けない事の言い訳」に使うのは、「喝!」と一喝するところであります。
そもそも、床に物を置いていると、隅々のホコリを掃除できなくなって、不衛生な状態が維持されてしまいます。
いわゆる「四角い部屋を丸く掃く」という状態です。
(部屋の隅を物に阻まれて掃除が出来ない、という意味)
床に物を置いていたら掃除しにくいし、いちいち移動させないといけないしと、面倒この上ありません。
ここで学ぶべき部屋を片付けるコツは、
:床に物を置かない、部屋の生活空間を広くする
です。
この時に、以前お伝え致しました通り、断捨離によって物そのものとお別れするというのも、部屋を片付けた上で、生活空間を維持するコツです。

部屋を片付けるコツ2:所定の場所を決めて物をポンポン置きっ放しにしない
部屋の片付けのコツその2は、:物の所定の場所を決めて、使った後はその都度収納する
です。
これは、このお堂(ブログ)でもたびたび戒めている「ポンポン物を置かない」ということの実践です。
ポンポンと物を置くという事は、物を丁寧に扱っていませんし、更に物を無意識に扱っているから、自分の部屋という限られた空間であるにも関わらず、物を無くす原因です。
例えば、テレビのリモコンが、今日は枕元だったのに、次のは机の上、その次の日は部屋の隅っこにある段ボールの上、なんてことはありませんか?
これだと、そのうちリモコンがどっかに姿を隠してしまいかねません。
酷い場合でしたら、床に散乱している衣服に紛れ込んで、週末に慌てて一気に選択したとき、衣服と一緒にリモコンまで洗濯するなんて可能性だってあります。
私の例を申し上げますと、滅多に観ないテレビのリモコンは、テレビの前に置くように決めています。
また、本を買ってきたらきちんと本棚に収めて、本を読み終わったら、その都度本棚に収納致します。
仏教、とりわけ禅では「丁寧に生きること」を教えて下さっています。
物を丁寧に扱い、無造作だったり無意識に扱わないことは、すなわち丁寧に生きる、丁寧な生活を営むことの実践です。
その具体的な実践方法が、部屋の物に対して定位置を決めて、その都度丁寧に扱うということです。
「片付けの時に物の居場所・定位置を決めて丁寧に扱う」これが部屋の片付けを実践する際の禅的なコツです。

部屋を片付けるコツ3:引き出しや見えない部分を綺麗に
部屋の片付けのコツ3つ目は、:引き出しやクローゼットなど、見えない部分も片付ける
です。
もしかして、床に物が散乱しているのは見栄えが悪いからといって、漫画でよくある「急な来客で慌てて物を押し入れに押し込む」あの場面を、日常的にしていませんか?
また、押し入れやクローゼットに物を隠すような片付けの仕方も頂けませんが、机の引き出しも、実は盲点だったりします。
机の上を綺麗に片付けたと思ったら、引き出しの中が物で溢れかえってしまっている、なんて話は笑えない事態です。
これは、単に隠して誤魔化しているだけです、部屋を片付けたとは言いがたい。
これがどのようにまずいのか、この例え話をすればわかりやすいのではないでしょう。
例えば、机の上がいつも綺麗だと思っていた人の引き出しを偶然観たとき、ごちゃごちゃに散らかっていたらどう思われるでしょうか?
「なんだ、単に机の上の見栄えだけよくして、引き出しに全部突っ込んだだけじゃないか。」って思われるのではないでしょうか。
それに、机の中がごちゃごちゃしていると、いざ何かを取り出すときに、いちいち探さないといけないという、実利においてもデメリットがあります。
これでは時間が勿体ないし、生活や仕事の効率面からでもよろしくない事は明白です。
このようなデメリットがあるわけですから、机の引き出しなど見えない部分もしっかり片付ける事が大切なのです。
見えないところも丁寧に禅的片付けを心がけるのがコツ
禅の掃除では、見えない部分や人目に付かない場所も丁寧に掃除をすることを教えて下さっています。人目に付こうが見えにくいところであろうが、自分の居住空間は、机の引き出しやクローゼットもしっかりと片付けることです。
そういえば、スティーブ・ジョブズさんは禅に関心が高く、そこから「見えないところも丁寧に仕事をする、丁寧に作る」と仰っていました。
スティーブ・ジョブズさんに憧れて、禅を真似してみたり、創造的な仕事をするのも良いでしょう。
でも憧れるだけで、仕事では「見えないところも云々」と言っておきながら、自室や職場で自分が使っている机の引き出しが片付いていないと、口先だけの人と思われてしまいます。
スティーブ・ジョブズさんを気取るのであれば、まずは身近な、自分の住む部屋の机の引き出しを片付ける事からはじめてみては如何でしょうか。
「見えないところも丁寧に片付ける」これも大切な部屋の片付けのコツです。
合掌