有難う御座います、ようこそお参り下さいました、当庵(ブログ)住職の真観です。
このお堂(ブログ)にて漸減しておりました通り、京都の浄土宗寺院、清浄華院で開催される「第5回清浄華院不断念仏会2016」に、参加させて頂いてきました。
京都の清浄華院で、24時間不断念仏会が開催される事につきましては、こちらでお伝えした通りです。
参照:「清浄華院で第五回24時間不断念仏会2016in京都」
「京都の中心で仏の名を称える」と題して開催されました、京都の清浄華院24時間不断念仏会も無事に全ての行を終えました。
前編は、事実の報告と言いますか、体験記と題しまして、体験してきたこと、お念仏させて頂いてきたプログラムなどについて、羅列する形でお送り致します。
感想や感じた事などにつきましては、後編にてお伝え致します。
第5回清浄華院24時間不断念仏会2016in京都、居座った時間は26時間
2016年10月8日(土)、朝から歩いて清浄華院へ向かい、途中で四条寺町のカフェ・ド・クリエさんでサンドイッチを昼食に購入させて頂き、いざ、清浄華院へ。東京の増上寺で開催されました24時間不断念仏会でも、そういえば途中にあったカフェ・ド・クリエさんで昼食を頂いて居た事を思い出したものあります。
清浄華院へは、丁度8日の正午くらいに到着し、到着早々、早速私がお世話になった恩人であるお坊さんが出迎えて下さり、受付を済ませてオリエンテーションへ。
オリエンテーションと、「光明遍照十方世界念仏衆生摂取不捨」という、念仏一会の前に称えられる偈文まで、24時間不断念仏会を開催して下さる土屋正道上人と共に偈文を読ませて頂き、いよいよ24時間ぶっ続けのお念仏が始まりました。
まさに「ただ一向に念仏すべし」という、法然上人が最晩年に残して下さった「一枚起請文」の御言葉のままに、只管お念仏、「ナムアミダブナムアミダブ南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」と、称えまくります。
私は、受付の時から全てのプログラムを終えて掃除や片付けを少し参加させて頂くまで、26時間を清浄華院で過ごさせて頂きました。
途中で、清浄華院にて毎朝行われております勤行にも参加させて頂いて、土屋正道上人と壇信徒達と共に、朝のお勤め・勤行をさせて頂くという、大変有り難く尊き貴重な御縁も賜り、とても嬉しく思うたもので御座います。
清浄華院での勤行は、増上寺の時とはまた違った、独特のお寺さんの朝、お堂の雰囲気を味わわせて頂いたものです。
この26時間中、土屋正道上人やお弟子さんであるお坊さん、2015年の第4回清浄華院24時間不断念仏会で初めて出会い、苦の最中におった私を暖かく救って下さったお坊さんとも再会して、色々な話を頂いたものであります。

24時間不断念仏会で世界中とお念仏で繋がる世界
24時間不断念仏会では、現在のテクノロジー・科学技術を駆使した取り組みもされています。2016年の清浄華院第5回24時間不断念仏会でも、専門のスタッフを呼ばれて、24時間中に世界17カ所と、土屋正道上人ともう一人のお坊さんが、一般参加者と共に京都の町を練り歩く「念仏行脚(ねんぶつあんぎゃ)」を入れると、19カ所と中継が繋がっておりました。
念仏行脚というと、「踊り念仏」で有名な一遍上人や、「市の聖」「市上人」と呼ばれた空也上人を連想する人も多いかと存じます。
空也上人は、「ああ、あの口から南無阿弥陀仏が飛び出してる像のお坊さん」と、思い出される人もいらっしゃるのではないかと思います。
現代の浄土宗の念仏行脚といいますと、宗祖法然上人800年大遠忌に、増上寺から知恩院までの600㎞を、1000人が30日間かけて結ばれた念仏行脚も御座いました。
京都新聞にも、当時は特集記事があったものであります。
とにもかくにも、今回はハワイやフランス・パリ、またインドのブッダガヤに御座います仏心寺というところと中継が繋がり、嬉しく思うたものであります。
この辺りの話は、後編で詳しく味わいについてもお伝え致しますが、ブッダガヤとお念仏で繋がったという時空間を体験させて頂いた事に、感銘を受けております。
今年も「パリと京都、お念仏で結ぶ夜」という事を、俳句で京都とパリとでやり取りされたことに、南無阿弥陀仏は、お念仏の教えや響は一気に国を超えられる、国境はないのかもしれない、そのような味わいを頂いておる今日この頃で御座います。
家に仏壇と木魚があれば、24時間不断念仏会にインターネットを通じて参加可能
会場では、インターネットにて繋がっている世界各地のお念仏者、お寺さんや仏教センター等の施設と、実際にちょっとしたやり取りがなされている光景を見ることが出来ました。会場で、プロジェクターとスクリーンを使って、現在繋がっている場所が映し出されているようにして下さり、「ああ、今この場所と繋がっているんだ」と言う事が、中継されていました。
現在、日本の仏教界・僧侶の方々は、移民などで世界各地にいらっしゃる仏教との方々のために、現地へ赴いて活動されています。
浄土宗も、ハワイやフランスの首都パリ、ブラジルにお寺を建立して、現地で浄土宗形式のお葬式や仏事をされており、現地の日系の方々に感謝されていると言う事が、テレビ番組やインターネットの報道で伝えられております。
そのような関係性もあり、24時間不断念仏会では、日本のお坊さんが世界各地で活躍・展開されている姿を、より感じる事が出来ることとなりました。
このことは、インターネットではライブで、生中継という形で観る事も可能です。
実は私、無事に帰宅した時に、家族から「ポクポクと木魚叩いてたのに、途中でいなくなってから戻って来なかったけど、どこにいたの?」と、突っ込まれました。
インターネット中継をリアルタイムで観てたんだ、と、家族に観られていたことを、帰ってから知って驚いたものです。
私は、前半こそ前列でポクポクと木魚を打ちながらお念仏させて頂いておりましたし、大木魚も体験させて頂いてはおりましたが、後半になるに連れて、カメラに写らない後ろの椅子席でお念仏申しておりました。
来年から、「24時間不断念仏会に行って来ます」と言ったら、また家族がおもしろがって観ることでありましょう。

清浄華院の24時間不断念仏会では、大木魚を何度も経験させて頂きました
今回の、2016年の第5回清浄華院24時間不断念仏会にて、させて頂いたことの中で最も印象にあるのが、大木魚を何度も打たせて頂いたことに御座います。大木魚それ自体は、2016年のミッドナイト念仏in御忌にて、知恩院の国宝である三門の中で、どかどかと打たせて頂きました。
木魚というと、恐らく多くの人が4号か5号、直径が12㎝から15㎝くらいの大きさの物をイメージされるかと思います。
そして、音も「ポクポク」と言う、軽い感じの音を連想されることかと存じます。
大木魚は、バチと呼ばれる打つ棒も大きく、打ったときの反動もなかなかのものであります。
そして音も「ポクポク」なんて軽い音では無くて、「ドカドカ、ドコドコ」という重低音が響き渡ります。
ミッドナイト念仏in御忌で打たせて頂いた大木魚は、それこそかなりの大きさの木魚ゆえに重低音も凄く、それが16ボートを刻むのかと言うくらいの速さで打たれます。
私は24時間不断念仏会で、直径は恐らく30㎝は超えているのでは無いかという大木魚を、合計して4時間半、1時間を4回と30分を一回という小分けにした時間配分で、打たせて頂きました。
大木魚を叩いているときは、「24時間不断念仏会は不断の念仏なり、途絶えさせてはいけない」と、妙に使命感を覚えたものです。
そのような貴重な御縁を頂きまして、何度も大木魚を打たせて頂いた経験は、有り難く、そして尊く味わいを頂くに到りました。
ただ、そこは在家の未熟な凡夫ゆえに、ついつい張り切ってバチを握る手に力が入り、声にも力が入ったために、終わってみれば声はがらがらで喉がやられてしまい、右手は数カ所に豆が出来ました。
何度も別時念仏会を開かれて、大木魚を打ち慣れた僧侶達の技に、感服致す次第で御座います。

24時間不断念仏会ないし色々な別時念仏会、あるいは仏事の御縁となれれば嬉しく思います
今回は、京都の清浄華院で行われました、「第5回清浄華院24時間不断念仏会」の体験記前編と題しまして、事実の羅列を致しました。後半では、お坊さんに頂いたお話しの事や、今回はお念仏の味わいをどのように頂いたのか、感想文のような事を綴る事と致します。
後半は、こちらです。
参照:「第5回清浄華院24時間不断念仏会2016体験記後編|共生をお念仏に味わう」
尚、別時念仏については、こちらも参考になるやと思います。
参照:「ミッドナイト念仏in御忌2016に行ってきました」
参照2:「増上寺の24時間不断念仏会2016の感想体験記|前編・とにかく南無阿弥陀仏」
参照3:「増上寺の24時間不断念仏会2016の感想体験記|後編・仏教を体験し身近に感じる」
増上寺の24時間不断念仏会については、漫画家で真言宗僧侶の悟東あすかさんによる「彼岸寺」というインターネット寺院に投稿されているマンガレポートが、よりわかりやすいかと存じます。
それでも、私ごときの拙い言葉の羅列によって、少しでも興味を抱いて頂ければ、大変嬉しゅう御座います。
また、浄土宗の別時念仏だけでなく、仏事への興味、更に仏法との御縁となれましたら、幸いであります。
合掌